月刊「創」ブログ
毎月顔をあわせている永六輔さんについてのNHKの番組
NHKの番組でも話していましたが、永さんは、最近話題の「上を向いて歩こう」を始め、作詞家として知られた時期もあったけど、フォークソングが出てきた時期にその仕事を辞めたと言います。自分で作詞作曲をして自分で歌うフォークシンガーのありかたこそが表現者だと感じたというのです。永さんらしい話です。
また、今回、自分の思い入れのイベントを紹介する企画だったのでテレビに出演したが、そもそも永さんはテレビ嫌い。戦後のテレビ文化を創った人がテレビ嫌いというのも面白いのですが、テレビに出ることが有名人と同義になった風潮に対する永さんなりの抵抗なのです。このへんのこだわりが、永さんの魅力なのです。そんなふうに自分の生き方にこだわる人って、永さんの世代まではたくさんいたのに、最近ほとんど見かけなくなってしまいました。そのあたりの永さんの生き方をよく表現していたのが、今回のNHKのドキュメンタリー番組でした。永さんを知る世代の人にはぜひ見てほしいと思います。
この番組でも大きなテーマになっていましたが、実は永さんはこの3年ほど、深刻な病気に苦しんでいました。私が5年ほど前、一緒に仕事をするようになった頃は、例の「立て板に水」というべき永さん独特の喋りが聞けたのですが、その後、みるみるうちに元気がなくなり、一気にふけこみ、話してもろれつが回らなくなったのです。一時は周囲の人たちも、このまま永さんは亡くなってしまうのではないかと心配しました。大好きなラジオの仕事でも、「何を話しているのか聞き取れない」という批判の投書と、「永さん頑張れ」という激励の投書が相半ばし、局側も心配したのでした。
でも、昨年あたりから、また永さんは元気になり、言葉も聞き取れるようになったし、今年は被災地にも、さらにモンゴルにまで出かけました。その元気が出るようになったあたりに、タクシーに乗っていて追突される事故があったために、「壊れたラジオと一緒で叩いたら直った」と本人も周囲もギャグにしています。ただ、毎月見ていた私に言わせれば、永さんが回復しだしたのは、パーキンソン病という自分の病名がわかったせいだと思います。それまでは、いろいろな症状が出始めたのに、原因がわからないという状況で、それが不安を呼び、精神的にも元気をなくさせることになっていたのだと思います。
病気が認識できたことで、自分の状況が把握できたというのが大きかったのだと思います。病名がわかって治療に集中するようになってからは、精神的にかなり元気が出てきたように感じました。今は永さんは、病気と向き合い、病気をつきあいながら活動をしています。自分の死生観についても番組で話していました。やはり永さんほどの人が語ると、死生観も重みが違います。考えさせられる番組でした。
日野不倫殺人事件の24年目の現実
1993年12月、日野市のアパートが放火され、子ども2人が焼死した。逮捕された北村有紀恵さんは無期懲役の判決を受け、服役中だ。その彼女の置かれた現実を通して贖罪について考える。 200円(税込)
2018年5・6月号 マンガ市場の変貌
◆『コロコロコミック』『ちゃお』
児童誌のゲーム、アニメとの連動
◆『ジャンプ』『マガジン』『サンデー』
少年マンガ誌三者三様の行方
◆集英社が『マンガMee』立ち上げ
女性マンガの映像化とデジタル化
◆『空母いぶき』『キングダム』など期待作が
実写映画で青年マンガに期待
◆LINEマンガ含め各社のデジタルコミックの現状は
拡大するマンガのデジタルとライツ
◆フジテレビ、テレビ東京のアニメ戦略とは...
アニメ市場拡大とテレビ局アニメ戦略
◆『「なろう系」と呼ばれるweb上の小説のコミカライズ
コミカライズとKADOKAWAの戦略
◆「海賊版」をめぐる迷走の内幕
「暴走」の末に頓挫した海賊版対策......川本裕司
◇寝屋川中学生殺害事件被告手記(続)
死刑を宣告された私の近況と逮捕をめぐる経緯......山田浩二
◇『DAYS』性暴力事件をめぐる経過報告
『DAYS JAPAN』広河隆一さんの性暴力問題を考える......篠田博之
◇被害から25年目の今、性犯罪受刑者との対話を望む
性暴力被害者の私が、なぜ加害者との対話を求めるのか......にのみやさをり
◇同性愛差別が続く社会で起きた事件と波紋
一橋大学アウティング裁判が社会に投げかけた問題......奥野斐
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