テレ朝坪井直樹アナが語った3つの覚悟

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 「なおざり」と「おざなり」の違いがわかりますか? なぜ寿司屋で会計をするときに客側から「お愛想」と言ってはいけないの? 取材に伺ったテレビ朝日アナウンス部で、坪井直樹アナウンサーに尋ねられて思わずどきっとしてしまいました。何となくは理解していても、なかなかその場でずばりとは答えられないもの。こういった日本語の細やかな使い分けが必要となってくる職業がアナウンサーです。競争率が激しいテレビ局の中でも、さらに難関とされるアナウンサー職。その狭き門をくぐり抜けるためにどんな資質が必要なのか、どんな努力をすべきなのか。今回は、インタビューから、坪井さんが強調していた3つのポイントを抜粋して紹介します。

坪井
 いざという時に言葉を正しく使えるかどうかは、普段から言葉の由来や成り立ちに気を配っているかどうかで決まります。例えば、おざなりは「お座なり」で、適当にその場をつくろうこと。なおざりは初めから何もしないことです。似てはいますが、それぞれ微妙なニュアンスを表現できるみごとな言葉です。また、「お愛想」は、店側がお勘定を渡すときに使う言葉で、お客の方からは使いません。このように豊かな日本語、正しい言葉を伝えていくのもアナウンサーの使命です。これからアナウンサーを目指す人には、一緒に日本語を伝えていく仲間になってほしいですね。

 アナウンサーとして活躍するためには、何か一つでも良いので抜きんでた個性を秘めていてほしい。ただ、その前提として、「清く・正しく・美しく」も兼ね備えている必要があります。


宝塚歌劇団のモットーとしても知られている言葉ですが、アナウンサーに当てはめると、

(1)「清く」は、目にしたもの、聞いたことに心から感動し、喜んだり悲しんだりできるピュアな心。例えば災害に遭った方の気持ちをくみ取って発言ができるかどうか。スポーツ選手が涙したとき、それまでの努力を思いやって一緒に涙できるかどうかが問われます。

(2)「正しく」は、社会人として常識を持っているかどうか。放送人として誇りを持って仕事が出来ているかという心構えです。常に周りから注目される仕事なので、自分を律して高い倫理観を保てるかがポイントです。日常生活の中でも、挨拶をしっかりする、満員電車でお年寄りに席を譲るといった、素直な行動ができるかどうか。近ごろの若い人たちに、わりと欠けている部分なのではないかと懸念しています。

(3)「美しく」は、アナウンサーとして美しい言葉を話すだけではなく、たたずまいを美しく見せられるかどうか。テレビのアナウンサーは全ての振る舞いを視聴者の前にさらけ出すことになります。例えばグルメリポートで食事をするときのお箸の持ち方。何かを書くときの鉛筆の持ち方、そういった一つ一つの所作がおかしいと、必ず視聴者から指摘を受けることになります。

――ということでした。一見、基本的なことに思えますが、あらゆる場面で「テレビ局の顔」として行動し続けるのは簡単なことではありません。賞賛や批判を真正面から受け止めながら仕事を続けるためには、"普通の会社員"とは違った次元の覚悟が必要なのでしょうね。

 もう一つ忘れてはならないポイントとして坪井さんが挙げたのは「体力」。不規則な生活が続き、常に緊張感に満ちた環境でも、仕事を頑張りぬく、そんな心と体の強さが要求されるそうです。

 さて、採用と直接的な関係はないイベントですが、テレビ朝日では現在、所属アナウンサーと直接話したり、アナウンサー体験ができる「アナトーーク2011」というイベントの参加者も募集中です。

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