選考が進むマスコミ志望者の皆さんに知ってほしいこと

経団連のガイドラインでは3月募集開始、6月選考開始とされていますが、事実上マスコミ採用戦線は一気に選考に突入しています。朝日新聞社が既に筆記試験も終えているほか、今年は3月エントリー開始の会社でも締切を3月中にして書類選考でどんどん絞っているところもあります。多くの会社が実質上、選考に入っていると考えてもよいでしょう。ESで落ちまくってめげている人もいますが、今この時期大切なのは、敗退した会社の体験をきちんと分析してそこから敗因を学習できるかどうかです。学習できる人は徐々に成果が出てきますが、自分がなぜ落ちたのかわからない人は今後もずっと落ち続ける可能性があります。どう考えてもその志望動機じゃだめでしょう、という人の場合も、落とす時にどこが悪いか会社側は指摘してくれないので、落ちた本人だけが気づいてないのです。
それともうひとつ、マスコミは応募倍率が高いのですが、意外とやるべき基本ができてない人が多いのです。例えば出版社を受けるならせめて受ける会社のベストセラーくらいは読んでおくとか、志望ジャンルの雑誌はきちんと読んでおくとかですね。こんなことは当然やるべきことですが、意外とやっておらずに受ける会社の雑誌を面接前日に立ち読みしただけとか、それでは落ちるのが当たり前でしょう、という人が実は多いのです。それと試験に臨んで、これから受ける試験の中身が何なのかくらいは知っておいてほしいと思います。例えば昨年、電通と博報堂の集団討論のテーマはそれぞれ梅雨を楽しむためのアイデア」「電子書籍をもっと手にとってもらうための仕組み」でした。広告志望の人、知ってました? こういうテーマやグループワークの仕方は、会社ごとに傾向があります。そういうことをせめて事前に知って、会場に入る前に心構えをある程度持って試験に臨んでほしいのです。例えば共同通信社の実技試験など、何も知らずに臨んだら頭がパニくってしまいそうな内容です。それらは『マス読』にも書いてあるし、少し努力すれば調べることは可能です。せめてそのくらいの努力は惜しまずにやってください。『マス読』を本屋で立ち読みとか先輩に一昨年のをもらったとかでは幾らなんでもまずいと思います。
例えばエントリーが始まったマガジンハウスの試験ですが、今年、新卒採用の人数を倍にすると月刊『創』2月号の出版社特集号P67でマガハの社長が言明し、その理由も示しています。『アンアン』『ポパイ』の編集長が昨年末に局長に昇格したことを含め、同社は世代交代を進めようとしているのですね。そういうことも知っておいて下さい。
ちなみにマガハの筆記の一般常識は基本的な問題が多いことで知られています。例えば総理大臣の名前を漢字で書かせる問題など出るのですが、たぶん「安倍晋三」もいざ手書きで書こうとすると「あれ、どんな漢字だっけ?」と思い出せない人が結構いるんですね。そういうことも含めて『マス読』や『創』はきちんと購読しておいていただきたいと、ぜひここで申し上げたいと思います。