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『創』5・6月号「震災とメディア」吉岡忍×金平茂紀対談

 震災と原発報道について様々な論評が出ていますが、月刊『創』最新号でも連載陣がそれぞれ、これについて書いており、佐藤優「東日本大震災と沖縄」、柳美里「疎開」、香山リカ「今できることは、何もしないこと」など、お勧めです。

 中でも特に読んでほしいのがノンフィクション作家の吉岡忍さんと、「報道特集」の金平茂紀さんの対談「今、大事なのは『事実』と向き合うことだ」です。この対談、吉岡さんが東北から帰京した直後、金平さんが翌朝早く現地に向かう数時間前という、お2人のスケジュールがたまたまあった2時間を使って収録されたものです。
 その中で金平さんが強調していたのは、被災現地で行政が対応不能になってしまった状況の中で、住民たちにある種の「自治」が生まれているという現実です。吉岡さんがそれを受けて、被災者を「弱者」という目だけで見てはいけないと指摘。阪神大震災の時は、そういう被災者たちの中にボランティアが入ったことでもうひとつのコミュニケーションの回路になっていたと言っています。
 そして、今回不幸なのは、福島原発事故のせいでボランティアが被災地になかなか入れず、その回路が断たれていることだ、とも。
 吉岡・金平両氏とも、3・11は、日本人の価値観にある種の転換をもたらしたという認識では一致し、その中で我々に必要なのは、事実や現実にしっかりと向き合うことだと言っています。
 14ページにも及ぶ対談ですが、いろいろな点で重要な示唆を与えてくれる内容です。ぜひご覧ください。

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1993年12月、日野市のアパートが放火され、子ども2人が焼死した。逮捕された北村有紀恵さんは無期懲役の判決を受け、服役中だ。その彼女の置かれた現実を通して贖罪について考える。
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