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月刊「創」ブログ

法的督促をめぐりNHKとやりとりした体験談を紹介します。

 最近、「創」ブログをリニューアルしたので、紹介を兼ねて、この内容をそちらにもアップします。
 「創」ブログと別に、これまで「NHK受信料問題を考える」というブログを立ち上げており、最近、コメントや投稿がかなり増えています。大手マスコミでは受信料をめぐるこうした経緯についてきちんとフォローし報道しているところは皆無で、むしろNHK側の発表だけを伝える広報機関になってしまっているのが実情で、こういう個別の情報は大変貴重なものです。
 NHKは法的督促が効果的と考えているらしく、どうやら全国でかなりの規模で、こうした恫喝ともいえる手続きをとっているようです。この何か月か督促を受けた人からの相談がどんと増えています。当編集部としては、東京で裁判闘争をしている被告らの弁護団に一応全てメールを転送していますが、弁護士さんたちも忙しいらしくてなかなか個別相談に応じるまではいっていないようです。ただ当編集部でもある程度の実情は把握していますので、わかる範囲でアドバイスなどをしています。
 今回はその中の一人、埼玉在住の方からのメールを個人情報を伏せ、ご本人の了解を得て公開します。個人でこんなふうにやりとりしたり裁判を闘うのは大変だと思うので、なるべく実際に経験された方の事例を紹介し、今後同様の立場に至った方の参考にしていただこうと思います。他の方のケースも了解を得て、次々アップしていくつもりです。実際に弁護人なしで裁判まで闘った人もいますが、ぜひ資料を当方に送るなりしてください。では、以下埼玉在住の方のメールです。


私は埼玉県●●市在住の●●と申します。
以前、違うブログに相談したのですが回答が無く、困っていました。
その時の相談内容は下記の通りです。

『昨日、受信料特別センターより「法的手続きの準備に着手しております」との通知が届きました。
私自身は受信契約した覚えがなく妻を問い詰めたところ6年ほど前に集金の人間にしつこく迫られ、「旦那に聞かないと分からない」と断ったのですが最終的に支払いをしたそうです。

契約については覚えて無いようですが、常々私が「NHKなんて見ないし、絶対に受信料なんて払わない、オマケに電波障害(かなり軽度)で星が点々としてるんだから目に悪いから何が何でも契約なんてしない。」 ということを認識していた為、お金を払った後で「電波傷害を直してくれたら旦那も納得するかも」と言ったそうなんです。

その数日後、電波調査/調整に来たようです。ただ、調整も効果はなく「この程度なら仕方ない」と言って改善はなかったようです。その時に妻が、「じゃあ無理ですね。もう払えませんので。」と言ったそうです。「そんなこと言わないで下さい。」と言って帰ったそうですが、 その後は夫婦とも不在がちの生活のせいか、集金人には出会っていなく、何年も経ったいたので妻は何も気にしないで生活を送っていました。

ところがココ2、3ヶ月前から集金人が来るようになっていたとの事で、「何でだろう」と疑問を抱いていたそうです。ただ、直接会ってはなく、支払のお願いのような文章の書いてある封書がポストに入っていたそうです。
私がココまでの流れを知ったのが昨日の事で、一瞬頭に血が上りました。
本日、その説明をTELにて受信料特別センターにしたところ、聞く耳は持たず、何を言っても「法的手続きに入っておりますのでそちらで明らかにしてください」と一点張り。
契約書のコピーも見せられないとのことでした。
●月●日の週には通知が来るとの事でしが、納得できないので、不服申し立てをする予定です。
もし、この内容を読んで、良いお考えがあるならご教示下さいます様お願い申し上げます。』

とココまでですが、一部間違いがありました。
実際は、『お金を払ってくれたら電波障害の調査が出来ますのでお願いします。と言われ、契約かどうかは分からず支払ったそうです。その時、BSのアンテナついてますが、この分はいいんですか?と妻が聞いたところ、とりあえず、そっちはいいですからと言って来たのでその分は支払ってないそうです。』

とココまでが流れです。結構な期間が開いてますのではっきりとは覚えてないようですが・・・
契約したとされている日は
その後に督促状が来ました。一応ネットから色んな物を拾い集め異議申し立てをしたところ、「口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」と言う物が届きました。

一週間前までに答弁書を提出するように指示があります。
証拠を提出するようにともありますが、そんなものは無いのでどうしたら良いか悩んでいます。


異議申立書の内容及び電話でのやり取り

督促状によりますと平成14年●月●日に契約をして、平成14年●月●日以降の料金を支払ってないとのことです。妻は初めの一回しか払ってないと思うと言ってますが、何分6年も前のことでよく覚えていないそうです。
それから、TELでのやり取りですが、副部長の●と言う方が対応しています。
私も熱くなっていたので良く覚えていないのですが、先日送りましたメールの内容や、「もし契約しているのだとしたら、今月からテレビを捨てるので解約したい。」など契約が有効ならば直ぐにでも解約したいと伝えました。その時、●氏は「自宅まで言って確認しなければ解約書は送れない。」と言いました。
最終的には、法的手続きに入っているので解約は受け付けられないとのことでした。

その前に色々質問もしました。義務なのか?とか絶対払わなければいけないのか?等です。そのときの答えは
1.テレビがあったら使用していなくても持っているだけで支払い義務がある。
2.テレビがあったらNHKと契約しなさい。
とか、色々言われましたが、メモを取ったのはこの2点です。

このやり取りの中で、私が熱くなって「録音してますよ。」といったら、「相手が同意していない場合は違法になりますよ。」と言ってきたので、「今から録音しますよ」と言いなおしました。その時、●氏は「それは困ります。」と言いましたので、「じゃぁしません。」
と言い、この話は終りました。
ちなみに請求額は、10万円弱です。

最後に異議申立の際に送った文章は


今回の督促状に対し、そもそも契約が無効と思われるため異議申し立てを致します。

○契約時の状況
平成14年●月●日(督促状を参照)夫が不在の時に、NHKの集金人が夫の自宅に訪問し妻に対し販売拡張員が、テレビを設置した以上、法律で、受信料を払うべき義務がある。税金と同じようだと説明し、契約を強要した経緯があります。
妻は夫がNHKの放送を見ないし内容が不適切と思うので絶対に契約しないということを知っていたにもかかわらず、あまりにもしつこく義務と説明されたために電波障害を直すことを条件に契約の意思表示をした。その際に受信料を払わなければ電波障害の検査は出来ないといわれ仕方なく受信料を支払った。妻は正式な契約書にサインしたとは思ってなく電波障害も直らなかったことから受信料を支払わなくなった。この一部始終を夫は平成20年8月まで知らなかった。

※別紙2通を参考資料として提出いたします。

参考資料は
 
1.契約である以上、その契約はテレビ設置者の自由な意思に基づいて締結されなければならないことは、契約自由の原則から当然。しかも、この契約には消費者契約法の適用がある。

 電波監理審議会(第842回)議事要旨(平成12年12月27日公表)がそれを肯定。
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/japanese/radio/01227j01.html

『(5) 日本放送協会の受信規約の変更の認可について(諮問第57号)
   日本放送協会の受信規約の変更の認可について、次のとおり郵政省の説明及び質疑応答があり、審議の結果、適当である旨、答申した。
  ア 郵政省の説明
    本件は、消費者契約法(平成12年法律第61号)が新たに制定され、平成13年4月1日からは、支払い遅延に対する損害賠償の率が年14.6%を超える契約は無効となることに伴い、NHKの受信規約をこれに整合させるものである。具体的には、現在、延滞している受信料の2倍の割増金を徴収することとしている規定を1期(2か月)当たり2%(年12%)に改めるものである。
  イ 主な質疑応答
    放送受信契約は消費者契約法の対象となるのかとの確認の質問があり、郵政省から、そうである旨の回答があった。』

2.消費者契約法は次のような場合は取消しを認めている。
http://www.consumer.go.jp/kankeihourei/keiyaku/gaiyou/point.html

   『消費者は、事業者の不適切な行為(1 不実告知、断定的判断、故意の不告知、2 不退去、監禁)により自由な意思決定が妨げられたこと(1 誤認、2 困惑)によって結んだ契約を取消すことができます』
   NHKとの受信契約締結過程において、販売拡張員が、テレビを設置した以上、法律で、受信料を払うべき義務がある。税金と同じようだと説明し、その説明を信じて契約したので、これは消費者契約法の不実告知に該当する可能性がある。
 この場合は契約を取消すことが出来る。

3 民法による契約の取消し2(無権代理)=契約の取消しというより無効。

  第113条  代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
  2  追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。

妻が夫を代理する場合(この逆の場合も含む)は本来は無権代理だが、いわゆる日常家事債務でこれはNHKに対抗できないと思われる。
 
 第761条  夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。

但し、夫がダメだと言っているのを承知で、後日、妻と交渉し、契約させた場合は、上記条文の『ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない』という条文に抵触する可能性が大。



上記の通り、ブログから拝借した物を提出しました。
この時は、消費者契約法での取り消しが5年以内とは知りませんでしたので、この内容で送ってしまいました。
お恥ずかしい事ですが、私自身、法律の知識が全く無く、悪あがきで出したようなものです。
以上です。
良い方法があればご教示ください。

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