月刊「創」ブログ
死刑判決を受けた林眞須美さんに面会しました。篠田博之(『創』編集長)
本日5月1日、和歌山カレー事件で4月21日に死刑判決を受けた林眞須美さんに面会しました。死刑が確定すると接見禁止になるのですが、昨日不服申し立てをしたので12日頃までは確定せず接見が可能と思われます。面会は1日1組であるため、連日、支援者や知人が電報で連絡をとりながら面会するようになっています。
もうそんなふうに外部と接見できる機会も限られているため、きょうも眞須美さんは、連絡事項などをあらかじめ紙に書いて、早口で話すという感じでした。ただ、さすがに死刑判決は重たかったようで、死刑に対する恐怖を切々と語っていました。
「死刑の恐怖はもちろん感じますよ。朝、刑場に連れ出される夢を見てうなされることが1月から毎日のように続いています。朝、声をかけられて、えっこんなに早いのと恐怖を感じて目をさますんです」
「この間、篠田さんに会った時も、もう泣きたいのをこらえていたんです」
「殺人なんてやっていないのに、死刑囚と言われたくない。判決の日に遺族の人たちが『早く執行してほしい』と言っていたという報道も見たけれど、私は犯人ではないのだから、墓前に報告したいとか言ってほしくない。同じ地区に住んでいた知り合いなのにそんなふうに言われて残念です。」
「これから裁判員制度が実施されて、判決をくだす側になる多くの人たちに言いたいのは、私の事件でもマスコミ報道だけを見て犯人だと思い込んでいる人が多いのだけれど、裁判資料をぜひきちんと読んでほしい。ちゃんと調べてくれれば私が犯人でないことはわかるはずなんです」
私と会った時、泣きたいのをこらえていた云々というのは、もしかすると私が判決の時にテレビでコメントした内容を誰かに聞いたのかもしれません。私は「16日に面会した時、眞須美さんは、絶対無罪判決です、と強気に言っていた」というコメントをしましたので。
ちなみに4月21日の判決当日、眞真美さんがどういう気持ちでどんなふうに過ごしたかというのは、5月7日発売の『創』6月号に掲載しています。
既に弁護団は再審請求を起こす方針を決めていますが、死刑確定という重大な局面に眞須美さんがこれからどうなるのか。世間では死刑判決確定でもう事件は完結ということになるのでしょうが、当事者や関係者にとって大変なのはこれからです。
日野不倫殺人事件の24年目の現実
1993年12月、日野市のアパートが放火され、子ども2人が焼死した。逮捕された北村有紀恵さんは無期懲役の判決を受け、服役中だ。その彼女の置かれた現実を通して贖罪について考える。 200円(税込)
2018年5・6月号 マンガ市場の変貌
◆『コロコロコミック』『ちゃお』
児童誌のゲーム、アニメとの連動
◆『ジャンプ』『マガジン』『サンデー』
少年マンガ誌三者三様の行方
◆集英社が『マンガMee』立ち上げ
女性マンガの映像化とデジタル化
◆『空母いぶき』『キングダム』など期待作が
実写映画で青年マンガに期待
◆LINEマンガ含め各社のデジタルコミックの現状は
拡大するマンガのデジタルとライツ
◆フジテレビ、テレビ東京のアニメ戦略とは...
アニメ市場拡大とテレビ局アニメ戦略
◆『「なろう系」と呼ばれるweb上の小説のコミカライズ
コミカライズとKADOKAWAの戦略
◆「海賊版」をめぐる迷走の内幕
「暴走」の末に頓挫した海賊版対策......川本裕司
◇寝屋川中学生殺害事件被告手記(続)
死刑を宣告された私の近況と逮捕をめぐる経緯......山田浩二
◇『DAYS』性暴力事件をめぐる経過報告
『DAYS JAPAN』広河隆一さんの性暴力問題を考える......篠田博之
◇被害から25年目の今、性犯罪受刑者との対話を望む
性暴力被害者の私が、なぜ加害者との対話を求めるのか......にのみやさをり
◇同性愛差別が続く社会で起きた事件と波紋
一橋大学アウティング裁判が社会に投げかけた問題......奥野斐
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