2019年度採用戦線が動き出しています

 フジテレビがアナウンサー採用の募集を始めたのですが、2019年度採用とはっきりと謳っています。これまでも一部エンタメ系の会社が2019年度採用と謳ってプレエントリーをしたりというケースはありましたが、フジテレビのような会社がはっきりと告知を始めると、いよいよ採用戦線が動き出したかという気持ちになります。もともとアナウンサー採用は早かったのですが、インターンシップという名目だったりして、その早い動きはアナウンサー志望者以外にはあまり知られていないのが実情でした。

 現在、『マスコミ就職読本』の2019年度版を制作中で採用側と受験者双方に取材を敢行しているのですが、2018年度採用の実態を知れば知るほど深刻な気持ちになります。『マス読』のように相当の取材を独自に行っている就職本は他にないので、そのへんの実情は表に出ていないのですが、今年行われた定期採用では水面下で相当熾烈な戦いが繰り広げていました。

 マス読メールマガジンで2月頃に注意を呼びかけていた通りなのですが、朝日新聞社が3月26日に筆記試験という予想外の早期化を行った影響が相当大きく出ているのです。率直に言えば、ライバルの読売新聞や共同通信、日本経済新聞社などが公の形でなく水面下で3月~4月に相当動きました。それぞれインターンシップがきっかけに使われているのですが、読売は「マスコミセミナー」という講座も開催していました。

 特に激しかったのが共同通信社で、実は東京オリンピックに備えて同社は採用を増やす方針なのですが、インターンシップ後、いろいろな形で呼び出しが行われ、6月1日までに内々定を得ていた人が何と27人もいました。正規試験は6月から始まるのですが、他社の選考に対する拘束と、意思確認の意味でその日、内々定者を呼び出したのです。事前内定がそんなに出ていたことは驚きです。

 同様の動きは読売でもNHKでも行なわれたのですが、おかしいことに早期化の先鞭をつけた朝日新聞社もインターンシップ受講者を「模擬面接会」といった名称で呼び出していました。早期化を公表したとたんにライバルが水面下で動くだろうことを予測して、朝日自身も手を打っていたのですね。ただ、朝日の場合は、正規試験が3月とすぐに始まったので、それらインターンシップから呼ばれた人たちは正規試験の一部を免除されるなどしただけ、つまり他社からガードするためのフォローのための呼び出しだったと思われます。NHKも呼び出しはかかったようですが、内定までは出ていないと思われます。

こういう水面下での事実上の選考活動が2月頃から行われていたのです。でも考えて見れば昨年度は、テレビ朝日が12月から選考を始めたし、年明けに他の民放も一斉に動いていました。早大などマスコミ受験者が多い大学では、インターンシップを受講した学生が次々と呼ばれて内々定が出たりしていたのでそういう動きを知っていたと思いますが、あまりマスコミ志望者が多くない大学の場合は、そういう実情があること自体知らない学生が多かったのが実情です。

そして、どうやらこの傾向は、今年12月から始まる2019年度採用でさらに拍車がかかりそうです。そうした動きはこのメルマガでお伝えしていきますので、マスコミ志望者はとにかく「情報のアンテナ」をしっかり張って下さい。周知のとおり、マイナビ・リクナビは、3月までは採用情報を流さない方針で、それ以前の各社採用の動きは残念ながらほとんど伝えられません。就活においては、まず情報収集が大切だということを、ぜひ知っておいてください。