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創出版: 2012年2月アーカイブ

かつて個人情報保護法などメディア規制法案が国会で審議された時、大きな反対運動が起きた。最近再び同じような動きが出ているのに、反対運動の取り組みが著しく遅れている。

大きな要因は、民主党が与党になり、本来的な反対政党が共産党と社民連という少数派になったことや、労働組合などの勢力が弱くなったため。要するに権力の動きに対抗する社会的勢力が小さくなってしまったためだ。民主党はいまやかつての自民党と変わらぬ政党となり、懸念されていた大政翼賛体制ができあがってしまった。秘密保全法案については2月29日付毎日新聞が一面トップで、民主党内部の動きを報じている。

そんななかで危機感を抱いた人たちが少しずつ声をあげてはいる。そんな動きのひとつとして、3月1日に開かれる院内反対集会と日本ペンクラブのシンポジウムを紹介する。ぜひ多くの人に参加してほしい。

 

●秘密保全法案反対院内集会 午後1時から衆議院第1議員会館第1会議室 

主催はマスコミ文化情報労組会議(MIC)、JCJ、マスコミ関連九条の会連絡会、自由法曹団の4団体の主催。問合せ先はMIC03-3816-2988

1245分に衆議院第1議員会館ロビー玄関にて通行証配布

13:001320 開会挨拶 日本マスコミ文化情報労組会議/日本ジャーナリスト会議

13201350 基調報告 自由法曹団弁護士

13501450 会場発言

14501500 閉会挨拶 自由法曹団 団長

 

●「撮る」「書く」「話す」のいま―自主規制と公権力介入を考えるー

日時 : 2012 3 1日(木)18302030

場所:専修大学神田校舎 731教室(7号館)

101-8425 東京都千代田区神田神保町 3-8

.水道橋駅(JR)西口より徒歩 7

.九段下駅(地下鉄/東西線、都営新宿線、半蔵門線)出口 5より徒歩 3

.神保町駅(地下鉄/都営三田線、都営新宿線、半蔵門線)出口 A2より徒歩 3

入場料:無料(事前申込みは必要ありません)

挨拶  浅田次郎(作家、日本ペンクラブ会長)

パネリスト:小野克己(日本ビデオ倫理協会)/河合幹雄(桐蔭横浜大学教授)/田原総一朗(ジャーナリスト)/山本太郎(俳優)―予定―/モデレーター:山田健太(専修大学 日本ペンクラブ理事)

詳細はペンクラブのHPへhttp://www.japanpen.or.jp/news/guide/post_281.html

『創』3月号が発売されました。広告特集ですが、「震災と広告」というテーマがひとつの焦点で、広告の業界誌などとはかなり違った特集になったと思います。


 単発記事で早くも反響が出ているのが「プレジデント社を襲ったふたつの衝撃」。ビジネス雑誌の出版社として知られるプレジデント社で昨年春、トップのスキャンダルが発覚し、一時は社長交代が決まったのに、それが封印され、批判した役員が飛ばされてしまったという話です。実はこれは同社社員でも知っている人間はごく一部。同社社員もほとんど知らなかった話です。騒動の発端は昨年の震災の後、社長夫人が会社あてに夫の男女問題を告発するファックスを送ったという衝撃的な事実でした。


 詳しくは記事を読んでいただくことにしますが、この話は、昨年、怪文書が出回っていたものの、きちんとした記事で書かれたのは初めて。ここまで公になってしまったことで、間もなく開かれる株主総会で問題にせざるをえないという状況になりつつあります。プレジデント社は実は小学館の子会社で、問題は小学館がどう対応するかです。記事の中で、プレジデント社のトップが昨年春、この問題について小学館に釈明したという話が書かれていますが、実はこの時、小学館の幹部あてに内部告発の文書が届き、それを受けて小学館副社長がプレジデント社社長を呼びつけて事情を聞いたようです。

「プライベートな問題なので社長が退任するには当たらないのではないか、というのが小学館の意向だった」と記事にありますが、その後の調べで、この記述は不正確で、実はそれは小学館副社長が個人的意見として話したもので、小学館トップは今回の記事でこの事件を知るにいたったようです。つまり昨年の段階では、あくまでも怪文書レベルだったので穏便にすますことになったのですが、今回、小学館としても正式に対応を検討せざるをえない事態になってしまったわけです。
 3月には株主総会が控えていますが、このトップをめぐる話と、昨年業績が一気に落ち込み、赤字決算になったということもあり、同社の行方が注目されています。
3月号ちら見はこちら