月刊「創」ブログ
2月14日、和歌山カレー事件支援集会が開かれました。
事件からもう10年以上になりますが、裁判は今重大局面を迎えています。2月24日に最高裁で弁論が開かれるのですが、これが開かれるというのは判決が近いことを意味します。ちょうど5月から裁判員制度が本格始動し、死刑問題の議論がさらに高まる中でこの事件がこういう局面を迎えたことで、マスコミも注目しており、この集会にはテレビ局のカメラがずらりと並び、新聞各社も大勢取材に入りました。
集会は13時から始まりましたが、何と冒頭に、亡くなった三浦和義さんに代わって鈴木邦男さんが支援する会の会長になったことが告げられ、本人が挨拶に。「『創』で林眞須美さんの手記などは読んでおり、面会に行ってみたら、それまで持っていた印象とだいぶ違っていた」。鈴木さんはその話から始め、マスコミが振りまく先入観によってこの事件を見ると真実を見失う恐れがあること、「疑わしきは罰せずという法の精神に照らせば、眞須美さんへの死刑判決はありえない」ことなどを話しました。
その後、1・2審から弁護人を続けている2人の弁護士が、裁判の争点のひとつである現場の目撃証言などについて説明しました。さらに休憩をはさんで、安田好弘弁護士ら最高裁から弁護団を結成した3人の弁護士と、林健治さんをまじえて、最高裁での論点について説明しました。その話の前に、和歌山から母の支援を訴えるためにやってきた長男と三女が挨拶。その後、健治さんも挨拶してから、本題に入りました。
安田弁護士によると24日の弁論で主張したいのは2点。ひとつはカレー事件を立証するための類似事件として検察があげた健治さんの「くず湯事件」が、1・2審の認定は全く事実と違っていること。この類似事件は、カレー事件を立証するために検察が持ち出したもので、ここを崩すとカレー事件も崩れるという関係にあるというわけです。くず湯事件とは、保険金を得るために眞須美さんが夫の健治さんの殺害を企てたとして殺人未遂に問われ有罪とされたものですが、実は保険金取得のためにヒ素を飲んだのは健治さん自身の意思によるもので、眞須美さんの殺人未遂は全く成立しないということです。
次にカレー事件そのものについても、現場での目撃証言はどう見ても誤っているし、判決の根拠の危うさを弁護人が健治さんとのやりとりを通じて明らかにしました。
篠田は和歌山カレー事件には事件の起きた1998年から関わっており、その10年の知られざる一部始終を、発売中の『冤罪File』に執筆しています。 (篠田博之)
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