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2005年12月アーカイブ

 今年のイベントのラストとして20日に関西ライブが行われました。参加者は200人でしたが、いやあ、なかなか盛り上がりましたね。昨年の関西勉強会の幹事を含めた内定者が駆け付けてくれたり、今年既に始まった勉強会のメンバーが報告をしたりというのも刺激になったと思います。打ち上げがこれまた盛り上がり、2時間で足らずに場所を替えて深夜まで懇親会が続きました。

 翌日は大阪・神戸で仕事をすませて夕方帰京すると、参加者から何人もお礼のメールが届いていました。そして本日、関西メーリングリストへの登録が100人を超えました。内定者もメーリスに入ってくれるなどしましたから、本格始動すると関西が一番活発なメーリスになるかもしれません。

 こんなふうに関西が盛り上がるのは毎年のことで、やはりマスコミ就活は東京が中心になるので、関西の人たちは結束するんですね。何しろOB訪問や会社説明会にしても東京在住者は圧倒的に機会が多く恵まれています。関西組はそれに対抗するために結束せざるをえないわけです。去年は関西だけでたくさんの勉強会が立ち上がりました。

 マスコミ就職戦線、いよいよ本格化です。今年は最後になりますが、年明け早々、開店休業のメーリスも含めて、本格始動のエンジンかけをやりたいと思います。

 それで話は変わりますが、関西ライブの翌日21日、大阪・神戸の実は拘置所へ行きました。大阪は林眞須美、神戸は鹿砦社の松岡社長への面会でした。詳細は省きますが、どちらもこの間、月刊『創』で連載手記を載せてきた人です。『創』を時々就職雑誌と勘違いしている人がいるのですが、『創』は林眞須美、宮崎勤ら大きな事件当事者のスクープ手記を次々とってきた雑誌なのです。

 宮崎勤については、来月あたり死刑確定の見込みで、きょうも2社から取材依頼が入りました。新聞・テレビが『創』に取材に来るというくらい食い込みには定評があります(というか、宮崎の唯一の著書を出しているのが創出版なのですが)。今月からマスコミ就職を意識してテレビ、出版と業界研究シリーズを特集していますが、本来はそういうジャーナリスティックなテーマを追い掛けている雑誌です。

 次号ではオウム麻原被告の娘にロングインタビューを行って、父親の近況や和光大学入学拒否事件について取り上げています。

 単に就職志望の対象としてでなく、今日本のジャーナリズムは問題山積、戦後の大きな曲がり角に直面しています。ぜひマスコミ志望の人たちには、受験対策だけでなく、そういう問題も一緒に考えていってほしいと思っています。
                                             (篠田博之)

 驚きました。きょうの立川反戦ビラ裁判での高裁逆転判決にです。
 夕刊で報道されているし、夜のニュースでも扱うでしょうから、ぜひ見て、考えてください。表現の自由をめぐって、この逆転有罪判決は、たぶん大きな意味を持つでしょう。日本もいよいよ、戦争反対のビラを巻くと逮捕されてしまう、そんな時代に入ったことになります。

 このところ「言論の自由」や「報道の自由」をめぐる様々な問題が一気に噴出しています。昨夜の「報道ステーション」では、オウム麻原元教祖の裁判をめぐる特集も面白かったけれど、もうひとつ、筑紫さんや鳥越さんらキャスターが共同会見した、犯罪被害者の氏名発表をめぐる問題も気になりました。

 この問題、これまで新聞が解説を書くだけで一般にはほとんど知られていませんが、報道機関にとってはすごく大きな事柄です。

 これについては11月25日の朝日新聞が「三者三論 犯罪被害者の氏名発表」と題して大きな特集記事を載せており、私もその三者の一人として自分の意見を述べています(読んでない人は図書館で読んでね)。もともと犯罪報道をめぐる匿名実名の問題というのは、「報道と人権」をめぐる根源的なテーマです。この機会に、報道志望の人はこの問題について考えてみてください。犯罪被害者をめぐる基本法成立へ向けて、まだこれから議論が続くはずです。

 そういえばきょうの立川ビラ裁判で傍聴券をとるために高裁前に並んでいたら、マス読実践講座の受講者に声をかけられました。マスコミ志望者の皆さん、筆記対策も大事ですが、現実に起こっているこういう問題に関心を持って、現場へ足を運ぶことも大切です。

 明日夜はNHK文化センターのマスコミ志望者向け講座があり、NHK関係者にまじって私も講師を務めます。いわゆるNHK問題は小泉政権そのものが関心を持つような大きな事態に至りつつありますが、その問題が講座でどんなふうに話されるのか、あるいは全く触れられないのか。またNHK志望の人たちはそれについてどう感じているのか。私はもう十数年にわたって講座の講師を務めていますが、今年は気になるところです。

 NHKを志望する人たち、当日飛込み参加も可能なので、もし時間があったら明日の講座に参加してみてください。詳細はこちらをクリックすればわかります。 http://www.nhk-cul.co.jp/school/aoyama/

 放送界が今どんな大変なことになろうとしているかについては、発売中の月刊『創』1月号の座談会を読んでください。これからマスコミに入ろうとしている人たちには、今のメディアをめぐる激動は、自分にも関わる問題としてぜひ考えてほしいと思います。                            (篠田)