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創出版: 2010年12月アーカイブ

 今朝の朝刊で一部新聞もフォローしているが、12月29日夜のTBS系たけしの番組での鳩山邦夫元法相の死刑をめぐる発言には驚いた。番組自体は死刑制度の賛成反対両派3人ずつのディベートで、「テレビ討論では声のでかい者が勝つ」という定説通り、存置論の方が優勢に見えたのだが、それはともかく、驚いたのはVTR出演した鳩山元法相の放言だ。「本当なら30人~40人は執行したかった」などと言いたい放題だった。そのなかで「新事実」として明かしたのが、「宮崎勤死刑囚の執行は、凶悪事件なので自分の方から指示して検討させた」という発言だった。

 2008年6月の宮崎死刑囚への執行は、私も驚いた。死刑確定から2年余という速さでの執行だったからだ。当時100人前後いた死刑囚のうちで、なぜ順番が繰り上がって彼の執行がなされたのか謎だった。再審請求の準備が動き出していたから、その機先を制して急きょ執行したのではないかとも言われたのだが、何のことはない。当時の法相の思いつきで決まったというわけだ。特に凶悪だからというが、鳩山元法相が他の死刑事件も含めて資料を精査してそう判断したわけでなく、ただ報道で知っていたからという程度のことのようだ。この宮崎死刑囚の執行によって、早期化に向けての大きなアピールがなされたのだが、いわば法相のパフォーマンスだったわけだ。

 私は宮崎死刑囚と12年間つきあって、どちらかが死ぬまでつきあおうと決めてもいたので、その最期があんなに早く訪れたことに当時ショックを受けた(それについては当時出版したちくま新書『ドキュメント死刑囚』に書いた)。まだほとんど事件そのものが解明されておらず、宮崎死刑囚の心情を少しずつ聞きだしていた私には、「今執行することに何の意味があるのか」と当時憤りを覚えたのだが、その理由がこんなに軽いものだったとは。この鳩山という人には、他人に死を強いることに伴うべき苦渋も苦悩も感じられない。

 死刑に向き合おうとしていないように見えた宮崎死刑囚だが、確定後はさすがに幾分か身近に死を意識するようになったようで、私への手紙にも死刑について言及することが多くなった。そして自ら、多くの弁護士に再審請求を頼めないかと手紙を出していた。さらに、私は、執行後、宮崎死刑囚が遺書のようなものを残していたことを知ってさらに驚いた。面会していても全く表情を変えず、死の恐怖など感じないかのような印象の強い宮崎死刑囚だったが、死刑については本などを読んでいたから、執行の状況も、そして自分の順番がどのくらいかもある程度知っていたと思う。だから逆に、思いがけない早期執行に、宣告された瞬間、驚愕したはずだ。

 執行翌日に宮崎死刑囚の母親から電話をもらい、「長い間お世話になりました」と言われた。その時母親と交わした会話を、先日も『週刊新潮』記者から電話があって少し話したら、何やら違うニュアンスで記事にされたのだが(匿名の知人になっていたが)、宮崎死刑囚の関係者にとっては、この事件及び本人の存在はいまだに重たい影を残したままだ。鳩山元法相の軽い発言を聞いていて思うのは、法相という死刑執行を決定する立場にある者は、執行に立ち会うなり、死刑囚と向き合うなりしてもう少しその重さを感じてもらいたいということだ。そのうえで、「だが法にのっとって自分は執行命令を出す」というなら理解もできるが、昨夜の元法相の発言には改めて落胆した。

 それと話は違うが、TBSの番組がVTRの中で宮崎勤死刑囚が著書『夢のなか』に載せた自筆のネズミ人間のイラストを出典も明記せず、無断で使用していたのにも驚いた。私が担当編集者として著作権についても管理を任されていたから、たぶん了解を求められれば、「出典を明記すればいいですよ」と言ったと思うが、連絡もしてこなかった。ちょっとひどすぎると思う。

 ちなみに宮崎死刑囚はそのあたりについては細かい人物で、例えば佐木隆三さんも朝日新聞社から宮崎事件の傍聴記を出す時、イラストを転載させてほしいと言ってきたのだが、宮崎本人に確認したら「断る」と言ってきた。佐木さんが、宮崎死刑囚については詐病説をとっていたから、本人は反発していたのだろう。宮崎勤という人物は、何も考えない人間だと世間から思われているが、実はそうでもない。彼について論者が論評した記事なども、きちんと読んでいたのである。

 公安情報が大量にネットに流出した事件をめぐっては、ようやく警察がそれを認めて謝罪した。イスラム教徒そのものをテロリストとみなして捜査の対象にしていた日本の公安警察の内部事情を明らかにしたこれらの文書は、今後、イスラム社会にも波紋を投げるのは必至で、深刻な影響はむしろこれから世界的に拡大していくはずだ。
そして、もうひとつ。ここで紹介したいのは、その内容をそのまま本にした第三書館『流出「公安テロ情報」全データ』の問題だ。これも極めて異例の事態に至っている。

 周知のように、この本についてはプライバシー侵害を理由に、そこに自分の情報が載っているイスラム教徒らが出版差し止めの仮処分を申し出、裁判所に認められている。ところが今回、異例なのは、その決定を受けた第三書館側が、その訴えられた人の情報だけを削除して第2版を発売するという行為に出たからだ。しかも、それが発売されるのと同時に、掲載された他の人が同じ申し立て行い、その第2版も差し止め命令。本に掲載された人たちは他の人も次々と弁護士に相談し、弁護団も結成された。

  no_3.jpg 結局、出版差し止めの仮処分申し立ては3次にわたってなされ、3次とも認められた。ところが第三書館はさらに、ほとんど削除だらけの第3版を25日に出版した。削除といってもそれを落とすのでなく、問題部分を網伏せにして、そこに情報があったことはわかるようにしてあるから、網伏せだらけの本なのだ( 削除だらけの第3版の中身.pdf)。しかも、この間、第1・2版については、トーハン・日販は取扱拒否を決めたが、他の取次は注文だけには応じたため、いずれも完売。それ以降も書店からの注文が出版社にはたくさん届いているという。

 弁護団はこうした第三書館の出版行為に対しても抗議し、損害賠償請求訴訟を起こした。この第3版については全取次が扱いを拒否したため、書店によっては既に客注を受けているところもあるのだが、本は流れないという事態になった。一部の書店では混乱も起きているようだ。
極めて異例の事態というほかないが、問題は、第三書館がどういう理由で本を出し続けているのか、弁護団がどういう主張をしているのか、詳細が報じられていないことだ。

そこで、ここで比較的基本的な資料に限定して双方の主張を紹介することにした。というのも、弁護団の方は昨日付で専用のサイトを立ち上げたようで、これを見ると経緯がよくわかるからだ。ただ当然のことながら、非難している第三書館の生の資料はそこでは紹介していない。そこで弁護団のサイトのアドレスを紹介するとともに、ここでこの間、第三書館が関係者に発した文書を2つ紹介する。ひとつは12月2日付の「『自殺』を迫られている、出版メディア」、もうひとつは12月9日付で裁判所に提出した陳述書だ。これを紹介するのは、別に私が第三書館の立場を代弁するためではもちろんない。この異状ともいうべき事態について議論するのに、第一次資料がやはりきちんと公開された方がよいのではないかと思うからだ。ついでに言えば、弁護団の方は、よく知っている梓澤和幸弁護士が弁護団長、また一方の第三書館の北川社長も面識のある人でもある。対立している両方が一応知り合いだ。さらに、第三書館も加盟している中小出版社の団体「流対協」もこの件で見解を公表している。それも紹介しておこう。

●出版差し止めを求めたイスラム教徒らの弁護団のサイト
http://k-bengodan.jugem.jp/
●第三書館が公表した文書2つ(12月2日、9日)

第三書館12月2日文書.pdf

第三書館12月9日文書.pdf

●流通対策協議会の見解

流対協の見解.pdf

 12月7日に田代まさしさんの初公判、続いて9日に一緒に逮捕された女性の初公判と、薬物事件が大きく動き出しました。14日には田代さん本人に接見もしました。詳しい報告は次号の月刊『創』で行いますが、ここで簡単な感想のみ書いておきます。

 7日の田代さんの公判は、傍聴希望者が長蛇の列でした。通常、こういう場合は、芸能マスコミが傍聴券を確保するために並ばせた人たちで、彼らは実際は法廷に入らないというのが相場ですが、今回はそうではありませんでした。報道陣のほかは、中高年の男女が傍聴席を満席にし、どうやらあの田代まさしを見たいと思った一般市民なのですね。最前列に座った女性は、昔からのファンで、手錠姿の田代さんを見たとたんに泣きだしていました。

 起訴状に対して田代さんは概ね事実関係を認めましたが、女性の自宅から大量に押収された薬物については、自分が金を渡していたのだから購入していたことは知っていたが、どのくらいの量がどのように保管されていたか細かくは知らなかったと述べ、共同所持についての認否は保留しました。

 そのあと検察官は冒頭陳述で、具体的に田代さんが再び薬物に手を染めていった経過を詳しく語りました。購入の指示ややりとりを携帯で行っていたため、その記録が全て証拠になったようです。ちょっと驚いたのは、7月頃、本格的に薬物を購入するようになってからの田代さんののめり込み具合でした。8月には売人に50万円を振り込み、その後も計40万円というふうに、かなりの金額をつぎこんでいるのです。

 逮捕された女性の公判では、押収された薬物が大量だったことについて訊かれ、使用量などよくわからぬままに買ってしまったと被告人本人が証言していました。たぶんそういうことなのでしょうが、計100万円もの金を次々と投入していたのには驚きました。だいぶ仕事も順調に入り、金銭的余裕もできつつあったとはいえ、昔のような芸能人というよりステージをコツコツとこなしていた田代さんにとって、小さい金額ではないと思ったのです。逮捕されるまでの1~2カ月は一気に以前の薬物依存者に戻ってしまったかのようでした。

 薬物の恐ろしさは、それをほしいとなったら、身の破滅を招くような事態にまで突き進んでいってしまうことです。夏以降の田代さんは、それが破滅の道だと知りつつも薬物依存が止まらない状態だったといえます。

 次回公判は1月14日午前10時から。一方、女性の方は1月6日午後1時半から。女性は初犯ですから執行猶予がつく可能性も高く、この第2回で結審する予定です。田代さんの公判は次回でも終わらず、予想以上に長引きそうな感じです。


 

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 本日7日は田代まさしさんの初公判。本人は、留置場で散髪もすませ、妹さんたちが先週差し入れたスーツ姿で出廷する予定ですが、やはり「緊張して落ち着かない」と言っているようです。

 本日、月刊『創』1月号が発売されましたが、そこに田代さんが妹にあてた手紙が自筆のまま掲載されています。ようやく精神的落ち着きを取り戻し、事件について考えられるようになった田代さんが、率直な心情をつづったもので、本人の意向で公開することにしました。あわせてその手紙に対する妹さんの心情もコメントの形で書かれています。

 今回は薬物の押収量が多かったため、裁判も簡単にはすまず、初公判は被告人質問までいかずに終わる予定です。今後、田代被告が、今回の事件の動機など法廷でどう語るか注目されます。

『創』編集部には昨日来、いろいろな報道機関が取材や問い合わせを行っており、本日、午後の日本テレビ系「ミヤネ屋」、テレビ朝日系夕方の「スーパーJチャンネル」などで『創』編集長・篠田のコメントも放送される予定です。
 公判内容については、明日再びこのブログで詳しくお伝えする予定です。

 なお、一緒に逮捕された女性は12月2日、既に保釈されています。
『創』では今回、逮捕直後から事件についての詳しい報道を行っており、12月号にも田代さんの詳しい手記が掲載されています。また、この間、田代さんがたどってきた経過については、弊社刊
『審判』(田代まさし著)に詳しく書かれています。

12月7日(火)夜、新宿ロフトプラスワンで以下の論客が集結してトークイベントを行います。
2010年の二大テーマともいうべき検察問題と、映画「ザ・コーヴ」上映中止事件後の和歌山県太地町のイルカ漁をめぐる騒動について、1部・2部として議論します。ふるってご参加下さい!
 

月刊「創」プレゼンツ~

「視点が変われば世界が変わる」
Open18:30/Start19:30
前売¥1500/当日¥1800(飲食別)

第1部 検察腐敗と死刑制度  19:30~21:00
かつては正義の味方と思われていた検察庁ですが、いわゆる小沢問題や大阪地検の証拠改竄事件などを機に批判が噴出しました。聖域とされてきた検察庁をどうすべきなのか。取り調べ可視化などの問題も含めて議論します。検察裏金告発を一貫して続けてきた元大阪高検公安部長の三井環さん、可視化議員連盟や検察官適格審査会で活躍している辻恵衆院議員、小沢問題での焦点となった石川議員の弁護人を務めた安田好弘弁護士など、検察批判の中心部分に関わってきた人たちが登場し、市民の立場から検察問題をどう考えるべきなのか討論します。また安田弁護士始め、死刑問題とも関わりのある論者ですので、死刑制度についても話しあいます。
【出演】森達也(映画監督、作家)、三井環(元大阪高検公安部長)、安田好弘(弁護士)、鈴木邦男(一水会顧問)、辻恵(衆院議院/検察官適格審査会委員)他

第2部 イルカ漁騒動とドキュメンタリー  21:10~22:30
周知の通り、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したイルカ漁告発の映画「ザ・コーヴ」が今年の夏、全国で右翼団体などの上映中止行動にあい、大きな社会問題になりました。上映中止騒動は鎮静化しかしたが、映画の舞台となった和歌山県太地町ではいまも海外からのイルカ漁及び捕鯨反対運動団体と政治団体が抗議行動を展開するなど、激しい対立が続いています。いったいこの事態は日本人にどういう問題を提起したのか、表現の問題との関わりをどう考えるべきなのか。上映中止騒動の際の当事者たちが一堂に会し、一連の事件を総括します。最近の太地町の状況を伝える綿井さんの映像も会場にて公開。和歌山現地から吉岡さんも議論に加わります。
【出演】森達也(映画監督、作家)、鈴木邦男(一水会顧問)、綿井健陽(ジャーナリスト)、吉岡逸夫(中日新聞新宮支局長)、加藤武史(映画「ザ・コーヴ」配給会社アンプラグド代表)、山上徹二郎(映画プロデューサー/シグロ代表)他

【総合司会】篠田博之(月刊『創』編集長)
※森達也氏(at NewYork)と吉岡逸夫氏(at 和歌山)はSkypeもしくは電話での出演となります。
※前売はローソンチケットにて発売中! 【Lコード:33926】
会場:新宿ロフトプラスワン 新宿区歌舞伎町1-14-7 林ビルB2 TEL 03-3205-6864
http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/


【出演者プロフィール】

森 達也(もり・たつや)※ニューヨークよりネット中継で出演

1956年広島県呉市生まれ。1986年テレビ番組制作会社に入社。デビュー作は小人プロレスのテレビドキュメント作品。以降、報道系、ドキュメンタリー系の番組を中心に、数々の作品を手がける。1998年オウム真理教の荒木浩を主人公とするドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年、続編『A2』が、山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。その後はテレビ東京の番組『ドキュメンタリーは嘘をつく』などに関わる。現在は執筆が中心。主な著書『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』、『クォン・デ~もう一人のラストエンペラー』『職業欄はエスパー』『ドキュメンタリーは嘘をつく』(角川文庫)、『下山事件』『東京番外地』(新潮社)、『いのちの食べかた』『きみが選んだ死刑のスイッチ』(理論社)、『ご臨終メディア』(集英社)、『悪役レスラーは笑う』(岩波新書)『死刑』(朝日出版社)『死刑のある国ニッポン』(週刊金曜日)、『極私的メディア論』(創出版)、『A3』(集英社)など多数。


三井環(みつい・たまき)
 1944年、愛媛県生まれ。中央大学法学部卒業。72年、検事に任官。高知、高松地検次席検事時代には、数々の独自捜査を成功させ「鬼検事」として名を馳せた。
99年、大阪高検公安部長に着任。2000年頃から検察の「裏金」の実態を内部告発。
2002年4月には現職のまま実名で朝日新聞やテレビ朝日「ザ・スクープ」などで告発を
しようとしたが、4月22日朝、テレビ収録の朝、大阪地検特捜部に「口封じ」逮捕された。
裁判では、無罪を主張し徹底的に争ったが、05年2月大阪地裁で懲役1年8カ月の実刑判決。控訴したが07年1月高裁で棄却、08年8月に最高裁も上告棄却で実刑が確定。同年10月に収監。大阪拘置所、さらに静岡刑務所で受刑し、10年1月18日に満期出所。
著書『検察との闘い』(創出版)、『検察の大罪』(講談社)など。

 

鈴木邦男(すずき・くにお)
1943年生まれ。1999年まで新右翼団体「一水会」代表、現在は顧問。著書『言論の覚悟』(創出版)、『愛国と米国-日本人はアメリカを愛せるのか(平凡社新書)、『公安警察の手口』『右翼は言論の敵か』(ちくま新書)、『遺魂』(無双社)など

 

安田好弘(やすだ・よしひろ)
1947年12月4日兵庫県生まれ。一橋大学法学部卒業。弁護士。オウム真理教の麻原彰晃死刑囚、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚、光市母子殺害事件の元少年などの弁護を担当。著書『「生きる」という権利 麻原彰晃主任弁護人の手記』(講談社+α文庫)など。


辻恵(つじ・めぐむ)
1948年6月12日生まれ。京都府生まれ、大阪府出身。政治家、弁護士、弁理士。民主党所属の衆議院議員。2010年10月より、検察官適格審査会の委員。

 

12月には他にも興味深いイベントがたくさんあります。

●12月5日(日)13時~日比谷公園大音楽堂集合。市民の連帯の会主催 検察裏金問題・村木事件・冤罪事件追及の集会とデモ行進
●12月13日(月)18時~弁護士会館10階1003号室 自由人権協会主催「検証・検察~村木事件・前田事件から考える検察問題」弘中惇一郎・他
●12月18日(土)13時半~青山学院大学総研ビル5階(14509教室)人権と報道・連絡会「検察の冤罪作りとメディア」http://www.jca.apc.org/~jimporen/
●12月19日(日)14時半~日比谷公会堂 フォーラム90主催「死刑のない社会へ」辺見庸・加賀乙彦・中山千夏・森達也・他