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三田佳子さんの次男、高橋祐也君「保釈」騒動の最中に本人から掛かってきた電話

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 覚醒剤使用で起訴された高橋祐也君が予定通り、10月9日に保釈された。いやあ、ワイドショーの報道量の多さに驚いた。三田佳子さんの知名度からそうなるのだろうが、保釈の時に渋谷警察署前で映像が撮れたことも大きいのだろう。

betujinn .JPG祐也君と9日夜に電話で話した内容は... 

 9日夕方に編集部でテレビの取材を受けた後、携帯にメッセージが残っているなと思って見たら、何と祐也君本人からだった。夜に再び電話があったが、騒がせたことのお詫びと、何回か接見したことへのお礼だった(接見できたのは3回だったが、5回、足を運んでいるので)。今後は裁判の結果にもよるが、彼がどういう生き方をしていくかが問われるわけで、それについてその電話でいろいろ話した。10日に彼は東京を離れ、更生施設に出発した。

 今回、いろいろ見聞きしてわかったのだが、祐也君が薬物に再び手を出してしまったのは、昨年、妻子と別居となり一人の生活になってしまった、子どもには会いたいのにそれもできなくなった、さらに新しい彼女ができたけれどその女性ともトラブルが続いた、といったことから精神的に追い詰められたことが背景だ。そして、たまたまその時期に薬物入手のルートもできてしまった。田代まさしさんが家族と別居になった後に薬物に手を出した時の状況とよく似ているし、確か清原和博さんも家族と別れて淋しくて薬物に手を出したと語っていたように思う。

  だから祐也君は、まず家族との関係をどうするといったことをクリアして、次の自分の人生を切り開かない限り、更生の道は見えてこないわけだ。今回の逮捕は、本人にとっても親の三田さん夫妻にとっても辛いことだったが、逆に言えば生き方を考える大きな転機でもある。祐也君の年齢を考えれば、もしかするとこれがラストチャンスかもしれない。

 祐也君の薬物の入手ルートについては捜査中のようで、私も多少は聞いているが、この事件はまだ全部終わったわけではないといえる。300万円の保釈金のこともあって、また小遣いが毎月○○円という話が繰り返されているが、今報じられている金額についてはほとんど根拠がないと言える。

 「まるで別人」報道には苦笑した 

 おかしかったのはスポニチの「祐也被告、まるで別人!!」を始め、祐也君の風貌に関する報道が多かったこと。「まるで別人」というのは、逮捕直後の送検時と比べてということだが、でも送検時はわずかな映像しかなかったから、それと比べるのは無理がある。1カ月でそんなに風貌が変わるわけないでしょ。むしろ祐也君は警察署での規則正しい生活で少し体重が減ったと言っていた。

  でも確かに、昔の20代のインタビュー映像などと比べると相当変わったという印象は否めないだろう。昔は世間から「不良少年」と見られる状況だったが、風貌はもっと精悍な感じだった。

 ネットではお辞儀をした時に見えた髪が「薄くなった」という話で盛り上がり、祭り状態になっている。この騒動には関係者も苦笑いしているが、本人も髪が薄くなったのは気にしているらしい。たぶんネットの騒ぎを見て、落ち込んでいるのではないだろうか(苦笑)。ワイドショーでは、目が泳いでいるように見えたのは薬物のせいかとか、髪が薄くなったのもあるいはそのせいかとか言われたようだが、そんなわけないでしょう(笑)。警察署を出たとたん大勢のカメラマンがいて一斉にフラッシュがたかれたら、誰だってびっくりして不安定な表情を見せるはずだ。

 フジテレビのバイクが追跡

 騒動と言えば、9日に保釈された後、フジテレビのバイクと車が追跡し、祐也君が途中で一時下車したところを直撃したらしい。運転していた高橋康夫さんは憤慨していたが、テレビ局も抗議を受けて、その映像は使わないことにしたようだ。最近はこういう取材はあまり行われなくなったのだが、そういえば清原元選手の時はヘリコプターまで出て追跡が行われていた。

 確かに渋谷署前の全局同じアングルの映像よりも、その後、独自の映像が撮れればスクープ性があるから気持ちはわからないでもない。ただ、こういう取材は、今は映像を撮ってもなかなか使えないし、祐也君に関して言えば、二度目の逮捕後の裁判で、裁判所前で報道陣が押し合って大混乱に陥り、大きな問題になったという経緯がある。

 今思い出すが、田代まさしさんの出所後会見を阿佐ヶ谷でやった時、写真週刊誌の記者がずっと追尾して、入院中の病院前で張り込みを始めたため、私が編集部に電話して張り込みを解いてもらったことがあった。本人だけでなく付き添いの妹さんたちが、玄関わきに張り込んでいる記者に怯え、病院から帰れなくなるという状況だった。

  保釈でこれだけの騒ぎになるということは、裁判はこれからだし、まだ騒動は続くのだろう。ワイドショーの方々には改めてぜひお願いしたいが、この事件を報道するにあたっては、できれば薬物依存の問題にもっと踏み込んでほしい。祐也君を「バカ息子」と指弾するのはいい。実際その通りだと私も思うから。でもそうやって視聴者が、有名女優の家族の失敗を他人事のように眺めるというのだけで終わらせるのでなく、ぜひこれを機会に薬物依存について考えるきっかけにしてほしい。社会全体として取り組まないと、薬物依存の根絶は難しい。テレビの影響力は絶大だから、多くの人が薬物依存について考えるきっかけにしてほしいと思うのだ。

 ...と書いたところで、「ミヤネ屋」から電話があり、12日の放送で再び『創』の記事を使わせてほしいとのことだった。「まだやるんですか」と思わず言ってしまったが、どんな報道になるのか、頼みますよ。宮根さん。

 「将来の夢なんかを持っている奴が、心底羨ましかった」

 最後に、創出版刊の高橋祐也君の手記『YUYA』は既に絶版なのだが、今回ワイドショーなどで取り上げられたのを受けて、高額でネットオークションに出しているとんでもない人もいるようだ。そこで、そのエッセンスを紹介した『創』11月号の記事「祐也君が綴った少年期の自分」を下記に公開することにした。これを読めば過去の経緯がある程度わかるはずだ。

 特に下記の記述など、今回にもそのままあてはまる。

《今となれば、陳腐で嫌になるけれど、俺は自分の焦りや苛立ちを覚醒剤でごまかそうとしていたわけだ。それは、甘えだと言われても仕方がないし、甘えそのものなのだが。

 将来の夢なんかを持っている奴が、心底羨ましかった。

 俺はどんどん荒んでいったし、家族にもあたるようになった》

 薬物について、自分と親との関係について、祐也君がどう語ってきたか、ぜひ下記を参照いただきたい。三田さんとの往復書簡も紹介されている。

 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181011-00010000-tsukuru-soci

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