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『創』8月号に和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚が手記!死刑執行の恐怖を語った!

月刊『創』8月号は映画「ザ・コーヴ」の上映中止問題を特集しており、それもぜひ読んでいただきたいが、もうひとつ、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚が手記を発表しているので紹介しておこう。死刑確定者がこんなふうにメディアに手記を発表することは簡単ではなく、それゆえ死刑囚の心情についてはこれまでほとんど伝えられていないのだが、眞須美さんの今回の手記を読むと、どれほど執行の恐怖におびえているかがわかる。
 死刑確定者は、いわば執行待機の状態で、刑執行がいつあるのか、当日の朝まで知らされない。海外では事前に執行日を伝えて近親者との最期の別れをさせたりするところもあるのだが、日本の場合はそうなっていない。以前、執行を告げた死刑囚が執行の未明に自殺してしまった事件がきっかけになったといわれる。
 こんなふうに執行を事前に告げないことについては、死刑囚の間でも賛否両論あるのだが、毎日毎日死の恐怖におびえるという事態に、精神的に耐えられなくなる人もいる。眞須美さんも、今回の手記の中で自らその心配をしているほどだ。
 手記の中では、幾つかエピソードを書いているが、例えば昨年6月3日、「本日より死刑確定者として処遇します」と改まって宣告された時には、執行の通告かと思い、腰が抜けてしまったという。また昨年7月28日、2名の執行をニュースで聞いた時には「背中に冷や汗が走り、私はへたりこんでしまいました」と書いている。
 自白も物証もないまま死刑が確定したこの事件だが、眞須美さんは今でも無実を訴えている。再審請求もなされており、この7月18日(日)にも大阪の御堂筋会館(難波別院)で「支援する会」の集会が開かれる。13時開場、13時半開会で、弁護団の報告のほか、支援を行っている鈴木邦男さんや、森達也さんらがスピーチを行う(なぜか『創』人脈ばかりだが)。資料代800円。
 今回、『創』が手記を入手した経緯の詳細は割愛するが、ひとつには眞須美さんの外部交通制限がほんのちょっとだけ緩和された事情がある。彼女の方から、通信文は不許可だが、資料などを郵送することは可能になったようで、最近になって様々な人に資料類が送付されている。この4月に安田好弘弁護士らが、眞須美さんの権利制限の見直しを大阪拘置所長に申し入れたのだが、それが影響している可能性もある。
 このところ死刑問題について一般の人たちの関心は高まっているが、死刑確定者の直接の訴えが外部に発表されることはまれだ。今回の『創』の手記をぜひ多くの人が読んでほしい。

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