月刊「創」ブログ
篠山紀信写真集への警察の乱暴な取り締まりに抗議声明
http://www.japanpen.or.jp/statement/2008-2009/post_210.html
篠山さんの自宅や事務所などにいきなり家宅捜索がかけられたのは11月10日だった。まさに「寝耳に水」の乱暴な捜査で、その後、関係者への取り調べはいまだに続いていると伝えられる。問題となった写真集「20XX TOKYO」は1月に刊行されたもので、撮影は昨年夏。もう1年以上も前に行われた撮影について、公然わいせつという容疑がかけられたのだ。出版社には捜査がかかっていないから作品の中身でなく、あくまでも撮影方法を問題にしたものだ。公共の場でヌード撮影を行ったのが問題だというわけだ。
警察はだいぶ前から内偵を行っていたようで、撮影場所のひとつ青山霊園に夏前に協力要請を行うなどしていた。有名写真家を取り締まることで一罰百戒を狙ったのは明らかだ。いきなり家宅捜索というショック療法をとったのもそのためだろう。 この取り締まりにはいろいろな問題がある。表現されたものでなく、その撮影方法を問題にしたわけで、写真でなくペンの場合でいうと、取材の仕方を問題にして介入したということだ。これが前例となって拡大運用されると、相当いろいろな形で言論表現活動に介入ができてしまう。
写真や映像表現に関わる人にとっては大変問題の多い取り締まりだ。捜査が継続中なため篠山さん本人は今のところマスコミの取材に応じていないから、大きな報道がなされていないのだが、もっと議論されてよい問題だ。最近はジャーナリズムがこういう問題にあまり敏感でなくなったのが残念というほかない。ちょうど先頃、マンションにチラシを配布したとして逮捕された事件での最高裁判決が出て、有罪が確定してしまったが、こんなふうに表現や意見表明の自由がじわじわと狭められている現実に、もう少しみんなが声をあげてもよいと思う。
日野不倫殺人事件の24年目の現実
1993年12月、日野市のアパートが放火され、子ども2人が焼死した。逮捕された北村有紀恵さんは無期懲役の判決を受け、服役中だ。その彼女の置かれた現実を通して贖罪について考える。 200円(税込)
2018年5・6月号 マンガ市場の変貌
◆『コロコロコミック』『ちゃお』
児童誌のゲーム、アニメとの連動
◆『ジャンプ』『マガジン』『サンデー』
少年マンガ誌三者三様の行方
◆集英社が『マンガMee』立ち上げ
女性マンガの映像化とデジタル化
◆『空母いぶき』『キングダム』など期待作が
実写映画で青年マンガに期待
◆LINEマンガ含め各社のデジタルコミックの現状は
拡大するマンガのデジタルとライツ
◆フジテレビ、テレビ東京のアニメ戦略とは...
アニメ市場拡大とテレビ局アニメ戦略
◆『「なろう系」と呼ばれるweb上の小説のコミカライズ
コミカライズとKADOKAWAの戦略
◆「海賊版」をめぐる迷走の内幕
「暴走」の末に頓挫した海賊版対策......川本裕司
◇寝屋川中学生殺害事件被告手記(続)
死刑を宣告された私の近況と逮捕をめぐる経緯......山田浩二
◇『DAYS』性暴力事件をめぐる経過報告
『DAYS JAPAN』広河隆一さんの性暴力問題を考える......篠田博之
◇被害から25年目の今、性犯罪受刑者との対話を望む
性暴力被害者の私が、なぜ加害者との対話を求めるのか......にのみやさをり
◇同性愛差別が続く社会で起きた事件と波紋
一橋大学アウティング裁判が社会に投げかけた問題......奥野斐
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