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宮崎勤死刑執行で取材が殺到!

 驚きました。まさかこんなに早く執行されるとは、本人も今朝執行を告げられて驚天動地だったと思います。こんなに早い執行で、しかもあれだけの大きな事件ですから、法務省が相当考えて政治的意志の貫徹のために執行に踏み切ったのは明らかです。来年からの裁判員制度や死刑制度についての議論が盛り上がっている状況のなかで、死刑執行を積極的にやるというアピールだと思います。

 でも宮崎本人は、まだ罪の自覚もないままで、死刑についても確定後言及するようになったところで、今回の執行もよくわからぬまま刑場に引き出されたということでしょう。死刑本来の意味を果たせた執行だったかおおいに疑問です。

 確定までは死刑など自分には無関係で関心もないと言っていた宮崎ですが、確定後、例えば一昨年には死刑について書いた手記を寄せてきたり(2006年7月号)していました。「創」に掲載した手記の最後は昨年の8月号で、実はこの後も掲載を希望する手記を何本か送ってきていて、この5月の手紙には次号以降、それを載せてほしいと言ってきたため、掲載する予定だった矢先の執行でした。次号7月発売の8月号にそれらを掲載するとともに宮崎事件とその死刑執行について考える記事を掲載しようと思います。

 それにしても、自分が十年以上も関わってきた人間が処刑されるという事態は、一般論として死刑の存廃論議をしているレベルと異なり、いささか衝撃を受けたのも事実です。きょうは朝十時過ぎからまさにひっきりなしに新聞・テレビの取材が入りました。ほぼ全部の大手新聞・テレビ局が取材に来ました。あとまだ「朝ズバッ!」の取材が今夜ひとつ。ほとんど考える間もなく忙殺された一日でした。

 最後に面会した時の、面会室での宮崎の表情が思い出されます。それにしても母親は言い知れぬショックを受けていると思います。父親が事件を苦に自殺してからは、自分が死ぬまで息子のめんどうを見なければならないと差し入れに通っていた20年が、こんな形で結末を迎えようとは思っていなかったことでしょう。

 なお宮崎勤が創出版から刊行した著書「夢のなか」「夢のなか、いまも」についての問い合わせも来ていますが、こちら(「夢のなか」「夢のなか、いまも」)に案内が載っています。   (「創」編集長・篠田博之)

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