12月27日、恒例の月刊『創』トークライブが阿佐ヶ谷ロフトで開催された。『創』連載執筆者が集まって、その年の話題をめぐって議論を交わすというイベントだが、今回は佐藤優さん始め、出演者が大勢いたこともあってか参加希望者が殺到。12月にオープンした阿佐ヶ谷ロフトを会場に使ったのだが、ここは椅子席が100しかなく、立ち見を入れても130人か140人がせいぜいという会場。既に前売りが椅子席の半分以上売れていたのだが、会場とほぼ同時に満席に。開演時には立ち見もいっぱいで、通路も通れない状態に。開演後来てくれた客は関係者以外お断りということになってしまった。盛況なのはうれしいが、入れなかった人たち、また入れても何時間もずっと立ちっぱなしだった人たち、ごめんなさい。
さて、これだけの客の入りは阿佐ヶ谷ロフト始まって以来とかで、現場の混乱もあって第一部が始まったのは夜7時20分頃。綿井健陽さんと阿曽山大噴火さんの、裁判をめぐるトーク。特に途中からは、綿井さんがずっと取材してきた光市母子殺害事件裁判の話となった。阿曽山さんは6時から会場入りしていたそうだが、あまり話す時間がとらないで残念。8時過ぎには第二部の連合赤軍と「レッド」の話題に移る。漫画家の山本直樹さんが「イブニング」に連載中の「レッド」が単行本になったのを記念した企画で、鈴木邦男さんと元赤軍派議長の塩見孝也さんをまじえてのトーク。何年もかかりそうな大作である「レッド」だが、登場人物を実名にしなかった事情が議論に。トーク終了後、山本さんのサイン会も行われた。
休憩の後、第三部。わざわざ沖縄から駆けつけた佐藤優さんと、監督の森達也さん、それに鈴木邦男さんで、「死刑」について議論。森さんは年明け発売の死刑に関する書き下ろし単行本の見本ができあがったばかり。世界的には死刑制度廃止が趨勢なのに日本では重罰化で死刑が増えているというこの現状について話しあった。10時半頃から会場との質疑応答に移ったが、これが約1時間も続き、終了は11時半。さすがに終電がなくなるので最後の方は何人かの客が退席したが、11時半の終了時にも動けないほどの満員状態。終了後もそこここで議論が盛り上がっていた。会場には漫画家の石坂啓さんらも見えており、前年は飛び入り参加してもらったので、今回もと思ったが、既に彼女、かなり酔ってしまっており、きょうは勘弁して、とのことだった。
連載陣が爆発的に充実しつつある『創』だが、2月号ができあがったのは翌日の28日。今西憲之さんの「徳島刑務所暴動」のスクープ記事もあるので、ぜひ楽しみにしてほしい。
日野不倫殺人事件の24年目の現実
1993年12月、日野市のアパートが放火され、子ども2人が焼死した。逮捕された北村有紀恵さんは無期懲役の判決を受け、服役中だ。その彼女の置かれた現実を通して贖罪について考える。
200円(税込)
2018年5・6月号 マンガ市場の変貌
◆『コロコロコミック』『ちゃお』
児童誌のゲーム、アニメとの連動
◆『ジャンプ』『マガジン』『サンデー』
少年マンガ誌三者三様の行方
◆集英社が『マンガMee』立ち上げ
女性マンガの映像化とデジタル化
◆『空母いぶき』『キングダム』など期待作が
実写映画で青年マンガに期待
◆LINEマンガ含め各社のデジタルコミックの現状は
拡大するマンガのデジタルとライツ
◆フジテレビ、テレビ東京のアニメ戦略とは...
アニメ市場拡大とテレビ局アニメ戦略
◆『「なろう系」と呼ばれるweb上の小説のコミカライズ
コミカライズとKADOKAWAの戦略
◆「海賊版」をめぐる迷走の内幕
「暴走」の末に頓挫した海賊版対策......川本裕司
◇寝屋川中学生殺害事件被告手記(続)
死刑を宣告された私の近況と逮捕をめぐる経緯......山田浩二
◇『DAYS』性暴力事件をめぐる経過報告
『DAYS JAPAN』広河隆一さんの性暴力問題を考える......篠田博之
◇被害から25年目の今、性犯罪受刑者との対話を望む
性暴力被害者の私が、なぜ加害者との対話を求めるのか......にのみやさをり
◇同性愛差別が続く社会で起きた事件と波紋
一橋大学アウティング裁判が社会に投げかけた問題......奥野斐
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