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篠田博之の「週刊誌を読む」

小池百合子「希望の党」人気の失速

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 めまぐるしく政局が動いているが、それは週刊誌の誌面にも反映されている。十月初めの週の前半に発売された週刊誌は概ね、小池人気に期待するという切り口だ。典型は十月二日発売の『週刊現代』10月14・21日号だ。表紙にでかでかと「小池総理、誕生へ」という見出しが躍っている。二週売りの合併号にこの見出しは冒険と言えるが、案の定というべきか、小池人気はその後、失速気味だ。

 それを反映して同じ講談社から週末に発売された『フライデー』10月20日号の見出しは「大迷走 小池百合子が辿る『ヒラリーと同じ末路』」。アメリカ初の女性大統領と期待されながら敗北したヒラリーになぞらえて、小池人気にダメ出しを行っているのだ。

 その変化がわかるのは『週刊文春』10月12日号が掲載した読者アンケートだ。「安倍vs小池 総理にふさわしいのは?」というアンケートをとったのだが、興味深い経過が書かれている。九月二十八日にアンケートを開始した当初は小池人気が圧倒的だったが、その後形勢が逆転。最終的に小池八百七票、安倍七百八十九票という僅差で小池さんが勝ったというのだ。

 実は同誌は同じ号で「小池百合子激白『安倍の延命は許さない』」という特集記事も掲げていた。編集部自身が小池人気に焦点をあてた誌面を準備していたわけだが、失速の影響か、「小池独裁」という批判も見られるややトーンダウンした記事になっている。

 ライバル誌の『週刊新潮』10月12日号は対照的に「小池百合子の希望・横暴・票泥棒」という小池バッシングの特集だ。小池人気が沸騰した時期に、敢えて「逆張り」を仕掛けた同誌らしい切り口だ。 

同じ号には櫻井よしこさんの「政権担当の資格はありや希望の党」という記事もあるから、保守派の立場から希望の党を批判したというのが同誌のスタンスかもしれない。リベラル派の『アエラ』10月16日号も、こちらは立憲民主党を支持する立場から「独裁者はいらない」という小池批判の特集を組んでいる。

 日々変わる政局に編集部は苦心しているのだろう。それが各誌の誌面によく反映されている。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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