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渡辺恒雄主筆に関する読売新聞内部情報流出の波紋

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 『週刊文春』1115日号「ナベツネの違法行為を暴露する読売現秘書部長『爆弾日記』公開!」が興味深い。

読売グループのドン渡辺恒雄氏が2004年、運転免許を更新するにあたり、3時間かかる高齢者講習を10分間の視力検査だけですませたという。それ自体はみみっちい話なのだが、渡辺氏の意向を広報部長経由で受けた警視庁クラブキャップ(現秘書部長)が、内心疑問を感じながら奔走する経緯がビビッドに書かれているのだ。

そんなことのために取材対象である警察に働きかけるといったことはやらない方がいいに決まっている。でもやらないと渡辺氏の命を受けた広報部長が飛ばされる。そんな思いで記者たちが駆け回る様子が、事細かに書かれている。

読売新聞は同誌発売日の8日の夕刊で「本社、週刊文春に抗議書」という記事を掲載。『週刊文春』が掲載した日記とは「業務記録を何者かが違法・不法な手段で盗み出し、データの一部を改ざん・捏造したものである疑いが強い」と批判した。

この記事が興味深いと先に書いたのは、内部文書を『週刊文春』に提供した人物の動機について、こう書かれているからだ。「この人物は以前から、メディアに与えられた特権的地位を乱用し、読売新聞という巨大メディアを私物化する渡辺氏に疑問を抱いていた」。読売関係者で渡辺氏に反旗を翻している人物がいるというのだ。果たして個人なのか複数の勢力なのか。もちろん読売側はその人物について、今後徹底究明するのだろう。

話題転換。雅子妃バッシング記事が最近、週刊誌でまた目立つ。『女性自身』1120日号によると、10月31日、雅子妃の妹の住むマンションには「多くのカメラマンや記者たちが集まっていた」

ハロウインの夜に、雅子妃は毎年妹宅を訪れるのだが、今回取材陣が集まったのは『週刊新潮』11月8日号が「園遊会はご欠席でも『雅子妃』のハロウイン・パーティー」という記事を掲載していたからだ。公務を休んでもプライベートは大事にするという、以前から続いている雅子妃叩きだ。なぜそれが最近増えてきたのか。次回以降検証してみたい。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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