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篠田博之の「週刊誌を読む」

『フラッシュ』が掲載した原監督1億円「不倫女性の日記」

 本物だとしたら確かにスクープだ。『フラッシュ』9月4日号が掲載した「原監督1億円『不倫女性の日記』」である。

 『週刊文春』が6月に「巨人原監督が元暴力団員に1億円払っていた!」とスッパ抜いて大騒ぎになったのは記憶に新しい。1億円も払って封印しようとした日記とはどんな中身なのか。誰もが興味を持ったと思うが、今回『フラッシュ』は写真入りでその詳細な中身を報じたのだ。

 ただ残念なことに、今回公開した日記が本物だという証明が記事では十分になされていない。編集部では巨人軍にあてて確認しようとしたようだが、回答はこうだ。「資料の真偽確認に関する貴誌の対応は非常に不誠実であり、一連の対応に強く抗議します」。確認を拒否されてしまったわけだ。

 記事で紹介されている日記の中身は、巨人が常宿にしていた兵庫県のホテルで働いていた20代のファンの女性が、1988年から3年間にわたって原監督(当時は現役選手)と親密な関係を続けた経緯を書いたものだ。

最初に関係を持った時に10万円を渡され、「チョットおどろいたけど、割切れってことかなあーって」思ったといった話が続く。驚いたことにこの女性、並行して、他の複数の巨人選手とも同様の関係を続けて行く。

有名人とファン女性との、いかにもという感じの話なのだが、これが今頃騒動になったのは、2006年に原監督が、もみ消しのために1億円もの大金を払ったことが発覚したからだ。しかも大金と引き換えに処分したはずの日記のコピーを持った別の暴力団関係者が、3年後に再び揺さぶりをかけてきたという話なのだ。

考えてみれば、こういう場合、コピーをとられている可能性は高いし、大金を払ったらまた同じ手口で脅される怖れがあることもわかるはずだ。1億円を払った当時の原監督は、追いつめられて冷静な判断ができなくなっていたのだろう。

それが今回、結局は公開されてしまったわけで、原監督には最悪の結末といえる。危機管理は最初の一歩を誤るととんでもない結末に至る。この事件の教訓は、そういうことかもしれない。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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