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篠田博之の「週刊誌を読む」

『週刊文春』がAKB48事務所と手打ち?なる憶測の真偽

 いろいろな憶測を呼んでいるのが、8月下旬のAKB48東京ドームコンサートの公式ガイド(オフィシャルムック)が文藝春秋から出版されるという話だ。『週刊文春』は唯一、AKB48のスキャンダルを報じる週刊誌として知られ、この6月にも指原莉乃のスキャンダルを報じたばかりだ。

公式ガイドはベストセラー確実だから、文藝春秋とAKB48の事務所の間で手打ちが行われたのではないか、と噂になっているのだ。実際『週刊文春』は8月9日号からオフィシャルムックのキャンペーンを始めている。

文春関係者に確認すると、公式ガイドの編集担当者は、元『週刊文春』編集者。「出版部に移って、AKB48の事務所に企画を出したら通ってしまった」という。もちろん事務所側とすれば、『週刊文春』を懐柔したいという意図は明らかだ。実際、事務所はAKB48の写真集やカレンダーなどの出版権を講談社や光文社、小学館、集英社など大手出版社に戦略的に配分してきた。

『週刊文春』では、出版部とは別であり、これでスキャンダル報道をやめることはないと言っている。確かに昨年、同誌が橋下徹大阪市長の出自報道を掲載していた時期に、新書編集部から橋下市長の著書を刊行。しかもその広告が橋下叩きの特集と同じ号の『週刊文春』に載っているという、普通では考えにくいことも起きていた同社だから、ありえないことではない。

実は前述した6月の指原スキャンダルをめぐって文春社内で指摘されたことがある。それが掲載された6月21日号は、小沢一郎の妻の離縁状スクープが載った号だから、その影に隠れてしまった感があるのだが、指原騒動がかなり部数を押し上げたというのだ。

「通常、『週刊文春』は発売直後に売れて週末には落ち着くのだが、その号は週末にまた部数を伸ばした。発売後に指原の処分が明らかになってまた部数に跳ね返るという経緯だった」(関係者)

AKBファンたちの市場を動かす力はやはり恐るべし、なのだ。

『週刊文春』で叩きながら、公式ガイドの出版も行うという文春の、よく言えばしたたか、悪く言えば無節操とも言える芸当、果たしてどうなるのか。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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