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篠田博之の「週刊誌を読む」

橋下市長の妻を「直撃」なる週刊誌の過熱取材

 おー、そう来たか、という感じなのが『週刊文春』8月2日号。同誌はこのところスクープ連発で、毎週、次は何が載るか期待され、プレッシャーがかかっているという。

前号の橋下徹大阪市長のスキャンダルを受けて、今週はどう書くか。そういう思いで見てみると「橋下徹がビビりまくる『ペナルティー妻』の素顔」。今度は妻に焦点をあてたのだった。

 でも橋下市長は公人だが、妻のプライバシーを詮索するのはどうなのか。しかも妻を標的にしたのは同誌だけではない。『フラッシュ』8月7日号「橋下徹を操る美人妻の気性」『フライデー』8月10日号「夫の不倫発覚後、怒り心頭の橋下徹夫人を初直撃!」。夫の不倫で傷ついたところへさらに週刊誌が押し掛けるというこの現実はどうなんだろうか。

特に『フライデー』は、妻を直撃し、「やめてください」と言われながら、その表情を撮影して大きく誌面に掲載している。いくら何でもこれはやりすぎではないのか。

『週刊文春』は、この間のスクープ連発で、実売で5万部近く部数を伸ばしているという。せっかく週刊誌に対する期待が高まっているのに、こういう無神経な過熱取材ではそれに水をさすことになりはしないのか。

話題転換。このところ多くの週刊誌が取り上げているのが、6月に退任した金沢一郎・前皇室医務主管と、雅子妃の主治医・大野裕医師の論戦だ。

発端は『文藝春秋』8月号に掲載された金沢氏のインタビュー。同氏はそこで、大野医師が雅子妃の病状について、国民にあまり説明していないことに苦言を呈したのだ。

 それに対して『週刊現代』8月4日号が「雅子妃の担当医が天皇家の元主治医を大批判!」と、大野氏の反論をぶちあげた。そこでバトルが始まった、と他誌も一斉にそれを取り上げたのだ。

ところが、『週刊文春』8月2日号を見ると、当の大野氏が『週刊現代』に載ったコメントについて、そんなことは言ってない、「全くの創作です」と語っている。いったいどうなっているのか。次号の『週刊現代』に詳しい事情説明が載るのだろうか。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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