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篠田博之の「週刊誌を読む」

『週刊文春』原監督1億円スキャンダルの大波紋

 『週刊文春』がまたも話題になっている。21日発売の6月28日号がぶちあげたのは「巨人原監督が元暴力団員に1億円払っていた!」。原監督が女性問題で脅され、金を払っていたという話だ。

 発売前日に巨人軍が会見。金を支払った事実は認めたうえで、相手が暴力団関係者だという認識はなかったとして、『週刊文春』を提訴する意向を明らかにした。そのことも含め、発売日にはマスコミが一斉に報道した。

 『週刊文春』の記事によると、原監督が金を払ったのは2006年。10年以上も前に交際していた女性の日記が暴力団関係者に流れ、それをネタに脅された。原監督は自ら工面して1億円を支払ったが、3年後、今度は前の男の兄貴分にあたる暴力団元組長から脅しを受ける。この段階で原監督は球団に事情を話し、警視庁が捜査に動いて、元組長を逮捕したという。

だから話自体は大分前のことなのだが、問題は、原監督が金を支払った相手が暴力団関係者なのかどうか、あるいは原監督や球団側が当時どう認識していたか。それによっては原監督の進退にも関わってくるという。

そしてもうひとつ、球団側の関心は、封印していたスキャンダルが今回噴出したのは、背後に仕掛けた人物がいるのでは、ということらしい。会見で巨人軍の桃井恒和社長は、それが昨年、球団代表を解任された清武英利氏だと明言。原監督の署名による「清武さんへ」という文書も公表した。その中では「清武さんのほかにいったいだれがいるのか」と清武氏が名指しされていた。もちろん清武氏自身は、この見方を完全に否定している。

週刊誌のスキャンダル報道については、背後関係をめぐって様々な憶測が流れる。『週刊文春』前号の小沢一郎氏の妻の「離縁状」についても、記事のコピーが大量に民主党議員に送られているようで、「あれは絶対小沢潰しのために仕掛けられたもの」と断言する人もいる。

今回のスキャンダルも読売新聞や巨人軍は「犯人は清武」と決めつけているようだ。私は発売当日の夜、清武氏に会う機会があったが、本人は「何でも私のせいにしてしまう」と苦言を呈していた。

(月刊『創』編集長・篠田博之)

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