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篠田博之の「週刊誌を読む」

婚カツ詐欺報道はなぜ一時沈静化したように見えるのか

 婚カツ詐欺めぐる週刊誌報道がパタッと止まった。もちろん捜査が進展していないからではあるのだが、それだけではなさそうだ。
 実は、週刊誌が一時大々的に報道したこの事件、予想外に部数につながらなかったという。八月以降、のりピー騒動で部数を伸ばした週刊誌は、それに代わって勃発したこの騒動に、これで勢いが続くとほくそえんだ。ところが実際には、部数は低落したという。
 大きな事件が続けば週刊誌の部数は底上げになるという定説が崩れてしまったわけだ。のりピー事件は完売になるほど売れながら、どうして婚カツ詐欺は売れないのか。それがわからず編集部は頭を抱えているという。
 最初その話を聞いた時、私はこう考えた。婚カツ詐欺は、こういう女性になぜ中年男性が次々と騙されたのかという「男目線」の話だった。女性たちはこの騒動に違和感を持っていたはずで、のりピー騒動との違いはそこではないか、と。最初話を聞いたのが『週刊文春』だったので、読者の半分を女性が占める同誌ならでは、の現象と思ったのだ。
 ところが聞いてみると、『週刊新潮』も同じような部数推移をたどったという。市橋容疑者逮捕など、事件で盛り上がったはずの十一月は各週刊誌とも部数を落としたらしい。
 週刊誌の読者の動向が読みにくくなった、と最近よく言われる。
部数の増減が激しいのはコンビニでの販売比率が増えたせいもあるという人もいる。駅売店で買う客はいちいち中身を見ないが、コンビニでは客が中身を読んで買うかどうか決める。それが、落ちる時は部数がストンと落ちる要因だというのだ。
 さて、最近話題になった週刊誌記事といえば『週刊ポスト』12月25日号「『長嶋茂雄』を売り払った一茂の背徳錬金術」だ。長嶋茂雄氏の思い出の品々が福井のコレクターのもとで展示されていたとして同誌がグラビアを含めて大々的に特集、一茂氏が父に内緒で売却したものと報じた。
 それを受けて三日後に発売の『週刊文春』12月24日号が「長嶋三奈が激怒『今度こそ一茂を訴える』」と後追い記事を載せた。
 夏に一度火を噴いた長嶋家のお家騒動が再燃しそうな雰囲気だ。

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