篠田博之の「週刊誌を読む」

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 ゴルフ界のスーパースター、タイガー・ウッズがプロ活動の無期限停止を発表した。女性スキャンダルがここまで深刻な事態をもたらすのは稀有なケースかもしれない。
 日本の週刊誌もこのスキャンダルを大きく報道している。米国ではウッズの元愛人という女性が暴露合戦を繰り広げているらしいのだが、その元愛人の数が十人以上というからすさまじい。
 騒動がこんなに大きくなったのは「品行方正で家族を愛し、チャリティ団体も主宰」(週刊新潮)という、これまでのウッズのイメージとの落差が大きかったからだろう。
 逆に言えば、これだけスキャンダルを抱えながら今まで品行方正のイメージが維持されてきたことの方が不思議だが、『週刊新潮』12月17日号によると、こういう事情らしい。
 「彼のマネジメントをやっている会社はプライバシーや権利関係などにかなり煩く、これまで些細なことでもすぐに訴訟をしてきた。記者連中も、強い筆致で書くと訴えられる怖さから、みんな気を使ってきた」(米国ゴルフ記者協会会員)
 それがなぜ今回はスキャンダルが次々と噴出したかというと、メディア側の金銭攻勢もあったらしい。ウッズのボイスメールまで公開した女性には「メディア側から15万ドル(約1300万円)の謝礼が出たと報じられ、結局それで火が付き、続々と愛人が登場。しかも、どの愛人も別の媒体が暴露している。いずれも謝礼が絡んでいるんでしょう」(在米ゴルフジャーナリスト)
 一方、会見を行うと表明したある女性は、会見予定の数時間前にドタキャンした。ウッズ側が高額の口止め料を払って阻止したのだという。
 どちらに転んでも札束が舞うわけだが、このように有名人に近づき大金を得る女性を米国では「ゴールド・ディガー(黄金掘り)」と呼ぶのだそうだ。
 『週刊新潮』のこの記事の見出しは「タイガー・ウッズに学ぶ愛人スキャンダルの正しい揉み消し方」。でもこんなふうに札束が飛び交うことでスキャンダルが左右されるということ自体、ウッズのような金持ちならではのこと。しょせん庶民には縁遠い話なのだ。

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