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篠田博之の「週刊誌を読む」

政治家・中川昭一の突然の死

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 政治家・中川昭一氏の突然の死を、週刊誌が大きく取り上げている。享年五十六歳。父親の中川一郎氏が五十七歳で自殺したことと重ねあわせてクローズアップしているのだ。

『週刊新潮』1015日号は「誰もが血の因縁を感じたことだろう」として、総裁選で敗北した後、命を絶った父親と、昭一氏の類似点を指摘している。父親も「北海道のヒグマ」と異名をとったが、実は繊細で、「お酒に逃げてしまうところもそっくり」(政治評論家のコメント)だったという。

『週刊文春』1015日号によると、中川昭一氏は「父が死んだ年齢(五十七歳)に近づいて、死を意識するようになりました」と語っていたという。二月に「もうろう会見」で失敗し、衆院選に落選。その挫折からか、睡眠薬とアルコールに頼るようになっていたという。同誌は中川氏が「気力をなくして、なだらかに死への坂道を下っていく」状態だったとして、「緩慢な自殺」と評している。

落選してからの昭一氏については、家族も心配していたらしい。フジテレビ記者である娘の知人が、前出『週刊新潮』でこうコメントしている。

「酩酊会見以降、中川氏は反省し、選挙中も断酒していた。しかし、落選してから、再び、口にするようになってしまったそうです」「彼女は、父がウツっぽいのを心配して、"お酒を飲んじゃダメ"と強くいえないと嘆いていた。実際、中川氏は不眠状態が続いていたそうです。祖父の自殺のこともあり、家族中が万一のことがないように気にかけていた」

『週刊ポスト』1023日号は「中川昭一『後継者は美人長女』宿命の血脈」と題し、長女を後継者候補だと書いた。一方『週刊新潮』は「中川家DNAを紡ぐ後継者」と題し、後継最有力は昭一氏の妻だと書いている。ただし政治評論家のこんなコメントも忘れない。「親子2代、政治家として不慮の死を遂げている以上、"今度も中川家から"とはならないでしょう」

タカ派という外面と繊細で内気だったという実態。『アエラ』1019日号で親しかった友人が「いつか破綻が来るような気がしていた」と語っている。

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