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篠田博之の「週刊誌を読む」

守屋問題 後追いリーク?/山田洋行からと元専務主張

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 「守屋喚問では分からない防衛利権の闇」(週刊文春)「テレビに映らなかった守屋喚問」(週刊新潮)

ーー連日、マスコミが報じている守屋疑惑だが、こういう時は新聞やテレビとの違い、独自性をどのくらい押し出せるかが週刊誌の勝負どころとなる。

 鼻息が荒いのは『週刊ポスト』だ。「『後追いリーク報道』の朝日・NHKでは分からない守屋一家『醜悪のおねだり』癒着の全貌」(11月9日号)。実は同誌は守屋武昌氏の接待疑惑を「守屋次官『酒と女とゴルフ接待』重大疑惑」と題して八月二十七日発売の9月7日号でスクープしていた。この時はそれだけで終わったのだが、十月十九日になって新聞・テレビが大報道を開始。騒動になったのだった。これは何者かによるリークが行われたのではないかというので「後追いリーク報道」と呼んだわけだ。

 このリーク説を強く主張しているのは、実は間もなく逮捕かと言われている山田洋行元専務の宮崎元伸氏だ。新聞・テレビはそうでもないのだが、週刊誌にはこの人、出まくっているといってよいほど登場して、疑惑に反論しているのだ。

 「守屋前防衛事務次官と私の関係」(週刊朝日)、「渦中の山田洋行元専務”逮捕覚悟”の激白120分『私が利用し利用された政治家の名前』」(サンデー毎日)、「特別手記 新聞記者も業者のゴルフ接待を受けていた」(週刊新潮)。特に『週刊新潮』11月1日号の宮崎氏の手記は詳細で、この騒動は「ある意図によって『つくられたもの』」。防衛省スキャンダルが弾けるという情報は、この春頃から流れていたという。

 では、その仕掛人は誰かといえば、山田洋行だということらしい。もともと三年前、親会社の不動産投資の失敗から危機に陥った同社で内紛が勃発。結局、宮崎元専務らが大量退職し、昨年九月に日本ミライズという新会社を設立。山田洋行は十億円の損害賠償請求訴訟を起こした。宮崎氏の見方では、今回の接待疑惑をマスコミにリークしたのは山田洋行ではないかというわけだ。

 確かに成り行きを見ているとそんな気もする。しかし、きっかけが何であれ、疑惑が明らかになった以上、徹底究明してほしいというのが国民の願いだろう。『週刊文春』11月8日号によると、ある検察幹部は「これは”第二のロッキード事件”になる」と漏らしたという。追及のメスはどこまで入るのだろうか。

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