トップ> 篠田博之の「週刊誌を読む」 >三田さんたたき過熱 疑問/薬物依存、二男の心の裏側は

篠田博之の「週刊誌を読む」

三田さんたたき過熱 疑問/薬物依存、二男の心の裏側は

|

予想通りとはいえ、三田佳子さんの二男の逮捕を報じる週刊誌の断罪ぶりはすさまじい。
 「三田佳子3度目の謝罪会見を生んだ二男『小遣い70万円』!」(女性自身)「三田佳子二男3度目逮捕で涙の会見もう飽き飽き」(週刊文春)「涙の会見がシラける三田佳子『親バカ行状記』」(週刊新潮) 


 確かに二男の犯した罪を考えると断罪されて当然だ。でも息子といっても祐也君(私は知人なので祐也君と呼ぶ)はもう二十七歳だ。親が会見を開いて世間に謝罪し、週刊誌が親の責任を問いつめるという構図には首を傾げたくなる。            欧米ではこういう光景はありえない、という人もいる。
 前回の逮捕の時、祐也君の小遣い五十万円という話が流れ、三田夫妻が否定したにもかかわらず、今度は七十万円という話が出回っている。匿名の知人の証言なのだが、飲み屋で話したような事柄を裏付けなしに大々的に報じるというのも、何だかなあという感じだ。  

 それにしても、前回の二度めの逮捕の時に、母親の三田さんは舞台を降板するなど打撃を受け、家族ぐるみでようやく地獄からはい上がったと思ったら、さらなる地獄が待っていたという今回の逮捕劇。いったい祐也君は何を考えこうなってしまったのか。接見禁止が解けたら本人に聞いてみたいと思う。   
 一時期、彼の仕事のめんどうを見ていた高須基仁さんが『週刊朝日』で「高橋祐也の"壊れ方"」という一文を書いているが、昨年半ば頃からどうも本人の様子がおかしかったという。
 薬物依存というのは、依存せざるをえない要因が変わらない限り解決しないと言われる。祐也君の場合、あれだけ世間に更生を誓って芝居や歌に励んだのに結果はうまくいかず、親のすねかじりと言われながら三十に近い年齢になりつつあることに悩んでいたのではないかと思う。
 小さい頃からいつも 「三田佳子の息子」と言われ、それに抗ったり悩んだりしてきた彼に、もし何か自分自身のアイデンティティと思えるものが見つかっていれば、再び薬物依存に陥ることはなかったろう。 
 昨年あたりからうつ病に陥り「死にたい」と言っていたともいう。入院はそうした状態からの緊急避難だったようだ。こんな時、家族はどう対応すればよいのか。バカ親、バカ息子などと断罪してすむような単純な問題でない気がして仕方ない。