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篠田博之の「週刊誌を読む」

弁護士にも「氷河期」!?/司法制度改革で「下流」出現

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前回、私が週刊誌に叩かれた話を書いたら、多くの人から心配の声をかけられた。

中でも『まるごし刑事』の原作者として有名な北芝健さんが突然、私の編集部を訪ねてきたのには驚いた。名前は知っていたが、面識はなかった人である。「自分も週刊誌にはひどい目にあっているので、激励に来た」という。
 北芝さんが言うのは『週刊現代』で彼が年齢詐称などと何度か叩かれた事件で、これは業界では有名な話。いやあ私のはそんな大事件ではありませんからと恐縮した。本欄を執筆していて、反響の大きさを痛感することがしばしばある。心して書かねば、と思う。

 さて本題。前回書きそびれたので今回紹介するが、『SPA!』10月16日号「『下流弁護士』大量発生の闇」が面白かった。『読売ウイークリー』も同趣旨の記事を載せていたが、かつて弁護士とは、超難関の司法試験をパスしたエリートで、高収入が保障された職業と思われてきた。ところが今はそうでないというのだ。司法制度改革によって九〇年までは毎年五百人程だった司法試験合格者が急増。九九年には千人の大台を突破、二〇一〇年には三千人にまでふくれあがる見通し。その結果、弁護士になっても就職ができない状況が生まれつつあるという。

『SPA!』によると従来から一年生弁護士はまず先輩弁護士の事務所に居候させてもらうことから「イソ弁」と呼ばれたが、最近は電話や机を借りるだけ、軒先を借りるので「ノキ弁」と呼ばれる例が多い。さらに軒先さえ借りられず自宅開業に踏み切る「タク弁」や、携帯一台で営業する「ケータイ弁護士」まで現われているという。  この十年ほど戦後の価値観が崩壊する中で、一番イメージが変わった職業は警察官だろうが、次は弁護士かもしれない。「試験にはパスしたけれど年収二百万円台もいる」という「下流弁護士」の存在、弁護士会で大きな問題になりつつあるという。そういえば最近、弁護士の不祥事も増えたような気がする。

 もうひとつ、『週刊新潮』10月25日号「関係者マッ青 皇太子殿下の車が路上でエンストしちゃった」も面白かった。さる十三日、秋田市の障害者スポーツ大会開会式に出席するために移動中だった皇太子の車が突如エンスト。皇太子はすぐ別の車に乗り換えて大事には至らなかったが、前代未聞の事態に「関係者はみなマッ青になった」という。そうだろうな。 (月刊『創』編集長・篠田博之)

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