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篠田博之の「週刊誌を読む」

力士急死の混乱 象徴/  別人の写真を掲載・フライデー発売中止・・・よぎった昔の大失態

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 十月五日発売予定だった『フライデー』が突然発売中止になったのには驚いた。時津風部屋の力士死亡事件でリンチに加わったとされる兄弟子たちの写真を掲載したところ、別人の写真だったことに発売前日未明になって気づいたのだという。既に製本まで終わっていて差し替えが間に合わなかったらしい。

 発売中止ということはその記事だけでなく、他の記事も全て日の目を見ないことになってしまうわけで、損害は計り知れない。それでもその決断に踏み切ったのは、以前、写真取り違えで大変な目にあったことが会社幹部の脳裏をよぎったからだろう。一九九八年、和歌山カレー事件・林夫妻の写真取り違え事件である。

 同年八月下旬、逮捕もされていない段階だから匿名ではあったが、これが容疑者夫妻だと目伏せをした写真をドーンと掲載したのだが、何と二人とも別人。特に妻の眞須美さんと取り違えて掲載されたのは、まだ十代だった娘の写真だった。

間違いがわかったのは発売された当日だったが、幹部は顔面蒼白になったに違いない。この事件をめぐって講談社は半年以上にわたって大揺れとなった。同社にとって忘れることのできない事件である。

今回の時津風部屋の力士死亡事件をめぐっては、通信社も誤報を行うなど、報道が混乱しているし、行われたとされるリンチをめぐっても情報が錯綜している。警察が立件に向けて動いているとされるが現状はまさに報道先行。テレビの映像を見ると部屋関係者と取材陣がもみあう場面など、集団的過熱取材そのものだ。時津風親方も会見を開けばいいものを、なぜか特定のメディアのみ取材に応じるなど、当事者も報道側も混乱の印象は否めない。もう少し何とかならないものだろうか。

角界の話題が相次いでいるが、『女性セブン』10月18日号の花田美恵子さん独占インタビューは見事なスクープだった。元若乃花との離婚の話なのだが、それを受けた形の『週刊ポスト』10月19日号によると、母親の憲子さんが息子の離婚を知ったのは週刊誌の取材によってだったという。驚いた。

『週刊現代』10月13日号のコラムで日垣隆さんが『創』と私の悪口を書いていたが、事実を歪曲したひどいものだとだけ、言っておこう。

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