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創出版: 2016年3月アーカイブ

本題に入る前に、マスコミ志望の皆さんにぜひ一緒に考えてほしい話を紹介します。ひとつは出版不況で書店や出版社が次々と潰れて行っている現状についてです。出版志望の人は下記ブログをぜひ読んで下さい。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/shinodahiroyuki/20160227-00054839/

もうひとつはテレビ界をめぐる大きな問題です。先日、著名なキャスターたちが会見を開いて訴えたこととは何なのか。下記ブログにまとめました。http://bylines.news.yahoo.co.jp/shinodahiroyuki/20160302-00054954/
「マス読」はただ単に就活のやり方を伝えるだけでなく、メディアをめぐるいろいろな問題を一緒に考えていこうという姿勢が特徴です。ぜひこういう問題に関心を持って下さい。月刊『創』で毎回特集しています。

さて本題。前回のこういう志望動機ではダメという話に「え?」と思った人も多いでしょう。人事部が敢えて注意するのは、ダメであるにもかかわらず、その志望動機を書いてくる人が多いからで、実はそのダメな志望動機とは、かなりの人にあてはまってしまうのです。例えばNHK志望で「民放のように視聴率を気にしなくてよいので」という志望動機を書く人は実はかなり多い。「NHKは視聴率を気にせず○○のようなことができるから」という志望動機ですね。この○○には、友人と取り組んできた性的マイノリティの問題とか、自分の祖母を見て関心を持った認知症の問題とか、それぞれ関心あるテーマが入るわけです。
断っておきますが、「民放のように視聴率を気にしなくてよいので」というのは間違いではないのです。実際、民放ではドキュメンタリー志望と言ったとたんに「君、そういう番組は我が社では放送枠がないよ」と言われたりしますが、
NHKにはNスぺを始め、そういう枠がたくさんあります。
では気を付けるべきポイントは何かというと、一見地味に見えて民放では難しいようなテーマを「視聴率は無視してよい」のでなく、そういうテーマをこそ多くの人に見てもらうにはどうしたらよいか考えることです。自分にそれができることをアピールするのが志望者に求められていることなのです。ダメと言われた志望動機とちょっとした違いに見えるのですが、この違いが大事なのです。
この話、次回もう少し続けましょう。
 

3月に入って就活戦線は一気にスタートし、現在は毎日、ESを書く作業に追われている人が多いと思う。そういう人のために、志望動機に関する話を書いていこう。特別な指摘ではなく、『マスコミ就職読本』第1巻で採用担
当者が言っている内容だ。採用担当者が言っているのだから、これほど確実なことはない。
ESで大事なのは志望動機と自己PRだとよく言われるが、志望動機で多くの人が語る内容にはある程度共通点がある。例えばアナウンサー志望の場合で多いのは「私の笑顔でみなさんに元気を与えたい」という志望動機だ。実はこの志望動機ではダメだと『マス読』入門篇P123でTBSアナウンス部の岡田さんが書いている。
また講談社の人事部副部長が「子供の頃から本が好きで、本に携わる仕事をしていきたいから志望しました」という志望動機に入門篇P102でダメ出ししている。
さらにNHKの人事の宮本さんが、「NHKは視聴率を気にしない」という人が多いがそんなことはない、とP90で書いている。実はNHKの志望動機でも「民放のように視聴率を気にしなくてよいので」というのを挙げる人が多い。
 一体、これらの志望動機はなぜダメなのか、何回かにわたって説明していこう。
それと昨夜のマス読ライブを見ていて感じたのだが、例えば新潮文庫がパンダのYONDAのキャラクターをやめてどうしようとしているのか、という質問が出た。講師の高橋さんが新潮文庫の編集者なので出た質問だが、この2年ほど、新潮社がどんなふうに考えて今のキャラクター「キュンタ君」に行き着いたか、これについては『創』出版特集に書いてある。また昨夜講師だった小学館の嶋野さんが『CanCam』黄金時代の編集長なので、その後どうして同誌は低迷したのか質問した女性がいた。これもなかなか良い質問だが、これについても『創』出版特集を2年分読むとヒントが書いてある。同じジャンルの『JJ』がやはり部数急落で誌面刷新を図っている経緯も参考になる。
こうした事柄についてはぜひ『創』を読んでいただきたい。書店でバックナンバーを取りよせるのがめんどうなら、Webマス読から会社別の5年分の記事が読める。試し読みもできるのでトライしてほしい。光文社の2015年記事の冒頭が『JJ』リニューアルの話だ。
http://www.tsukuru.co.jp/masudoku/tettei.html
まもなく選考が始まる。志望会社の研究はすぐに始めてほしい。