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創出版: 2012年8月アーカイブ

 前回、新聞社の応募者数が年々減っているという話をしたが、この数字、
実は業種や会社ごとに比較するのはなかなか難しい。リクナビ・マイナビの
登場以来、最初の登録が簡単にできるようになったため、ウェブでのプレエ
ントリーは各社とも急増した。問題は、その後のES提出という正式エントリ
ーの数がむしろ減っていることで、プレエントリーからエントリーの段階で
10分の1に激減してしまう会社もある。マスコミのESは他業種よりも記入事
項が多いうえに、出版社なら課題作文までついているため、その段階で応募
を見送ってしまう人が多いのだ。採用側にすれば、いわゆる「記念受験」は
迷惑なだけで、志望意思の高い人だけ受けてほしいという思いがあるから、
応募段階で志望者が絞られるのは悪いことではない。そのため会社によって
は、ウェブエントリーの段階で適性検査を実施して意図的に絞り込みを行う
ところもある。昔は「資料請求」という呼び方で、志望者がせっせとハガキ
を書いていたプレエントリーは、いまやほぼ100%ウェブに移行した。この
ウェブ上のプレエントリー、早いところは9月10月から始まる。昨年は経団
連の倫理憲章改定があって、募集開始が12月からとなったが、プレエントリ
ーならその前から実施可能なので、今年は9月10月から動き出す会社が増え
そうだ。間もなく始まる採用戦線、その動向については、次回のコラムで説
明しよう。(文責・篠田)
しばらく書いていなかったコラム「編集長の眼」を今週から始めます。今、
編集部は「マス読」来年度版の取材・執筆作業の真っ最中なのですが、その
過程で様々な情報に接します。そのなかから役に立つ話を少し披露しようと
いうのが本欄の趣旨です。
 今回は「応募者数」の話です。この何年か深刻なのが、新聞社の応募者が
減っているという現実です。これはマスコミがいま大きな構造的変化にさら
されていることの反映です。特に新聞社の場合、学生諸君が新聞になじみが
なくなりつつあるという状況を如実に反映し、目に見える形で応募者が減っ
ています。昔はその数字を公開していたのですが、近年は公開もやめてしま
いました。実情は、全国紙で大体応募者数が3000人ですが、かつてピーク時
の約半分といえるでしょう。学生諸君が新聞を購読しなくなってしまった現
実の反映です。
 ただ、私が志望者と接していて思うのですが、コアな新聞志望者はそう大
きくは減っていないと思います。昔は、コアな志望者の周囲に「試しに受け
てみる」といった人たちがそれなりにいたのですが、そこが少なくなったと
いう感じです。ただ採用側としてみれば、憧れ受験者であろうと応募する人
数が毎年減っていくのは気になるのは確かです。
 では、他のマスコミはどうかということですが、その話は次回続けましょ
う。(篠田)