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コラム「編集長の目」第43回・加藤宅放火事件

 加藤代議士宅放火事件はイヤーな事件だった。異論や少数意見を暴力的に排除しようという排外主義の気運が日本社会にますます強まっている。テロを覚悟せねば自由にモノが言えないとなれば言論は明らかに萎縮していくだろう。ちなみに加藤宅放火事件についてあちこちでコメントした鈴木邦男さんは『創』の連載執筆者で、自身も放火にあっているのだが、創出版も一度、郵便受けに火のついた本を投げ込まれ、消防車がやってくる騒ぎになった。火がすぐに消えたのは犯人がガソリンを使わなかったからで、放火は油を使うかどうかで規模が決まる。って別に放火を推奨してるわけではないけど(笑)。

 発売中の月刊『創』9・10月合併号で、俳優の佐野史郎さんと森達也さん、鈴木邦男さんの『創』連載執筆者が天皇タブーについて議論をしている。言論のタブーといっても若い人たちにはもうピンと来ないのかもしれない。

 この座談会は先月収録したのだが、映画やドラマでしか見たことのなかった佐野史郎さんの話が面白かった。この人、もともとアングラ劇出身だし、あたりさわりない話しかできない芸能人ではないので、もっと雑誌のトークなどに登場してほしいと思う。

『創』は合併号で次号は休みなので今月は『マスコミ就職読本』の編集に専念。『マス読』は9月11日頃から順次1~4巻が発売される。ぜひ楽しみにしてほしい。
                                            (篠田博之)

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